夏休み課題・第七回ひじき祭読書感想文!!!(前編)

※2022/3/12:書き始めたのが半年ほど前なので色々と文章に矛盾があるかもしれません、あと割と残り半分の感想書くのが困難なので一先ず前編という形で約90動画分の感想を公開しておきます(後編はいつか余裕があれば……)

 

 去年でひじき祭はラストの筈でしたが、無事に引き継がれて今年も開催されたので、今回も「いいね」した動画に関して色々語っていきたいと思います。

 まずは引き継いでくださったことに感謝!
 確かに、ゲーム実況以外も沢山投稿されるようになった昨今、もうひじき祭の役割は終わったのかもしれません。が、やはりボイロや合成音声ソフトの歴史を切り拓くきっかけとなった企画ですし、夏のなんでもアリの屋台みたいな雰囲気のお祭りで、私はこのジャンルごった煮で各々がワイワイやっていく感じが好きなのです。歌ボもひじき祭がなければ発展しなかったかもしれませんしね。ありがとう。

 

 という訳でやっていきましょう。

 ちなみに私は今年はこんなやつを出しました。初のアイボス導入&初劇場動画です。正直去年の方が好みだし色々と反省点や物足りない部分もありますが、それなりのモノにはどうにかまとめられたので、少し沈み込むような夜の時間帯にでも気が向いたら見てやってくださいませ(無駄にクッソ長いので注意)。

 特にBGMはお気に入りのもの沢山使いました(使いこなせたかどうかは別として)。極論、私の動画はどうでもいいから、コンテンツツリー行ってBGM作者様の音楽すこって来て下さい。マジで私の動画なんかよりそっちの方が重要。

 

 

 それでは第七回ひじき祭、150近い動画の感想文、ドウゾ。

 

紹介動画数:多分89個(後編が残り61?)

赤字にしてあるものはこの中でも「もっと伸びてくれー、再生数もコメントもこれの倍以上あってええやろー」って思ってるやつです、後は「日付を置いて感想書きながら視聴した時も味わい深くて面白かった」とかも基準になってます多分。でも基準曖昧なのでそこまで気にしなくていいです多分。あと、単純に動画数が膨大に膨れ上がり過ぎたので、時間がない人向けに更に私好みのやつを抜粋した感じです。親切心的な何かのつもりではあるけれど、これで変に評論家っぽい印象受けたらごめんなさい。そういう意図ではないんですよ……)

文章量:5万字くらい?(今52708って右下の字数が表示されてる)

作業時間:知らん(いいねした際に1回、感想書く際にもう1回視聴、感想そのものに2,30分と考えると1つあたり最低限30分は時間を費やしてる)

 

紹介の基準、動画選びの基準

・基本的には古い順に開催日から終了日までを十数日かけて視聴、人気順や再生数順とかは基本やってない筈です

・基本は自分に何かしら刺さったモノを選出、要は私の趣味嗜好ですハイ

・優先度的に「葵ちゃん≧琴葉姉妹>>>その他」です、私はそういう人種だ

・社会情勢的にあまりお外出れてないので、今年は登山や車載動画へのいいね率が高めかもしれません、欲に忠実

・今年はFF内の投稿者を贔屓しないためにTwitterでワードミュートかけたり、ニコニコでも人の投稿欄を極力目に入れないようにしてあったりします、気休め程度の贔屓要素除外

・700近い投稿数の中から7,8割方は再生ボタン押したと思います、趣味嗜好で見るかどうか決めてるのでこの辺の基準もテキトーです(分野的に興味が殆どないモノや、露骨でアレなサムネ釣り辺りを切ってるかもしれません)

・センシティブ設定してあるので、そもそも観測すらしてない作品もあると思います

・去年少し指摘されたので、「再生数が滅茶苦茶多い動画は、ナンバリングエグかったりサムネやタイトル情報がNot for meでも一応見てみるか……」ってのは徹底してあります、ラインはあるけどね(主にサムネ釣りの度合いだけど)
・見た時間帯やその日何本目の試聴かにも左右されてます多分

・基本いいねは最後まで見た上でするタイプなので、スタートダッシュ良くて後が尻すぼみだったりエンディング付近でブチ壊されるとこの人いいね渋ってマス

・結局、葵ちゃんが映ってりゃそれで満足なんだよ(暴論)

 

 

 

【第七回ひじき祭】めぇ~!【10分耐久】

ジャンル:劇……場……?(音声ループ動画)

 

 問題作。電子ドラッグ。かわいい。

 去年の、

『鳴花ヒメ「ツクツクボオ↑シ ツクツクボオ↑シ ツクツクボオ↑シ ツクツクボオ↑シ ツクツ...』

に似た何かを感じる。狂気。

 羊の鳴き声のような良く分からない鳴き声を延々と10分間繰り返してる後ろで、シュールで可愛らしい沢山のIAちゃんが動き回る動画。映像の方は3分ループくらい?映像自体はシュールだけど結構可愛らしい。10分聴いてて脳がおかしくなるか、洗脳されるか、或いは元から耐性があるかどうかは貴方次第(私は3,4分超えた辺りから頭おかしくなりそうだった)。

 謎のシュールさでは今年ダントツだと思うし案外可愛らしいので、変化球が見たい方は是非是非。結構耳に来るので音量等は注意。IAちゃんが好きなら10分間天国かもしれない。

 

 

【第七回ひじき祭】3年V組 桜乃先生【VOICEROID劇場】

 

ジャンル:劇場

 

 ギャグ。というかまんまファンタのCMのやつ。懐かしい。

 「琴葉」→「はい」→「妹の方」→「はい」が妙に癖になる。毎回やってくれて助かる。勢い任せのパロディかと思いきや案外ガンガンネタが飛んでくるし、中盤の生徒で賭け事し始める辺りは変化球だった上に編集のギアが少し上がって面白かった。ずんちゃんの訛り具合も良い。そしてどう考えてもボケ役だった筈のそらさんが突っ込み役になっていく展開も面白い。

 ボイロのネタの基本を押さえたパロディ(そらさん除く)を3分半で手軽に見れるので、クスッとしたい方は是非是非(体型ネタはあるのでそこだけ注意)。

 

 

 

シェフずん子「おい、ずんだ食わねぇか?」

 

ジャンル:キッチン

 

 サムネホイホイの狂気とは裏腹に、落ち着いた水曜どうでしょう風の導入(てかモロそのまんま)、割と常識と良心のあるずん子ちゃん、そして凄く丁寧でガチ解説のずんだ餅作り方紹介。とても良い。

 あまり普段ずん子ちゃんがメインとして可愛らしく見える動画に遭遇しないけれど、これは別格。ずんちゃんが可愛い。とても良い。このキャラクターの雰囲気を生み出すの結構難しそうだけど、サラリとやってのけてるのが凄い。食べやすいタイプのずんだ餅をウナちゃんに食べさせたり、ウナちゃんに「馬鹿ヤベェ色だ!」って言われても一切気にも留めずにサラリとお話を繋げて行くのがほんと偉い(安易にキレさせて笑い取りに行くと一気にキャラの方向性変わるしね)。

 あとは解説がほんとに丁寧。マジでずんだ餅を布教する気があるタイプのずん子ちゃん。枝豆自体の小話や、普段枝豆を食べる時にも役に立つ話とか、初めて作る時にやらかしそうなポイント全部押さえてくれてたりして丁寧。ちゃんと食べやすくて青臭くないレシピだったし、布教の心得がちゃんとしてる。ずんだ餅を「一回くらい気が向いたら作ってみたい」と思えたのは初めてかもしれない。

 万人にお勧めできる作品なので、是非是非。まだイメージでしかずんだ餅を知らない人や、ハズレのずんだ餅引いて苦手になった人とかでも印象がガラリと変わるかもしれない。

 

 

 

夢花火(full) / 琴葉茜・葵【第七回ひじき祭】

ジャンル:オリジナル歌ボ

 

 身内贔屓はしないと言ったな?あれは嘘だ

 

 ……というのは置いておいて(実際身内って言っても普段はお互い絡みないです)、ひじき祭のワードをミュートにしてても、このタイトルは忘れる訳がない。去年滅茶苦茶自分に突き刺さった、第六回ひじき祭に投稿された琴葉姉妹のオリジナルソング。

「この曲フルバージョンで出ねえかなあ……短いのマジで勿体ねぇよ……」

……と思いながら過ごして1年経って、ふと今年のひじき祭動画を漁ってた時に、このタイトルを、しかも『(full)』って書かれた文字を見た時の私の衝撃が分かる!?いいんですかこんな幸せな事があって!?コメント欄にも誰か書いてたけど「本当に映画本編出ないかな……」って言ってたよね!?マジで分かり身が深すぎてヤバイよコメント主さん作らないかい!?誰か作れ!!(限界オタク)

 ……感情的なお話は置いておいて、多分私は元気一杯の曲よりは、綺麗で美しい旋律や軽やかな曲が好きなんだと思う(ピアノで弾くのは毎回激しい曲ばっかなのにね)。サビ以外も旋律のアップダウンが物悲しいけど凄く落ち着く波長になってるし、サビは「儚く散るのは夢花火」がほんとにドンピシャの歌詞と旋律。ここまでサビで心が掴まれるのはそうそうない。ここ単品でも良いんだけれど、その後違和感なく少しずつアップダウンが薄れていってさざ波っぽくなって、でももう一回サビに来る時にちゃんと溜めになるのが偉い。というか溜めにもなれるしそのまま静かにフェードアウトできるのが偉い。凄い。曲の作りとしてマジで偉い。最初の導入も相変わらずグッと引き込まれる。声の震え具合なのか何の具合なのか分からないけど、やはり魅力的。

 フルになったということで、Cメロとかはどうすんのかなー、って思ってたら歌無しの演奏オンリーの静かな語りから今まで通りの展開だった。最初に聴いた時は「ああ、なんかここで、ここで今までにない旋律や歌遊びが入って良い感じにドラマにならないんですか!?」とか思って勝手に落胆してたけど、数日空けて聴いた時に「いやここで変な味付けするのは無粋だし、ここで物悲しく静かに綺麗に補強するのに徹してこそのパートだから寧ろ最適解では?」って感じで思い直したりした。しかもここはちゃんと聴くと、一番花火の音が聴こえる部分だったりする。うっすらと、それこそちゃんとヘッドホン付けないと味わい辛い部分だけど、「ひゅるるるるー」「パン、パン」って花火要素が音楽の中に自然に溶け込んでる。とても良い。初見の私の考えが浅はかだった。素晴らしい。

 歌詞も相変わらず素敵。正直普段は「歌詞なんて深く考えるもんでもないし寧ろ歌詞のせいであんま好きじゃなくなった曲も結構あるし、聞こえが良ければそれでいいよ」ってスタンスだけれども、一貫したストーリーと、絶妙な言葉の抜き具合が素晴らしい。「夜空に咲くあの光を」って素敵な羅列はなんですか、何喰ったら曲にすっぽりハマる短さの程よく曖昧な表現が浮かぶんですか?「綺麗だねとこぼしたその涙に」とかサラッと二重の意味かけてるけど凄くない?開幕フルスロットルですよこんなん。そんな感じで基本的にどのパートでも歌詞が大外れしてる部分は見ないし、盛り上がるところでは全部書き切らずに程よくぼかす歌詞が絶対出てくるのがほんと素晴らしい。「忘れてしまえたらどんなに」がほんの少しの変化球。正直、全部「夢花火」で結んでも文句はない出来だと思うけど(それほどにサビの「夢花火」の部分は強い作りの旋律だしメッセージ的にもくどくない)、妥協せずに勝負しに行った感じがあってこれはこれで好き。そしてCメロ(最後の転調大サビの手前)で新たに追加された歌詞が、大サビにドストレートに突き抜けて行く感じで凄く良い。「どんな未来描こうと 君は見えないけれど」が160km/hのド直球って感じに伸びてきて転調に乗ってくるまでが心地よい。

 そして絵も素敵。依頼したの英断。こんな素敵な出力する絵師さんがいるの凄い。よくこの人に依頼したなあと思うし、絵師さんもよく出力したなあと思う。なんですかこの花火の色、実は琴葉姉妹を表しててエモい感じのやつだったりします?(オタク特有の深読み)絵は詳しくないからなんも分からんけど、葵ちゃんの描き込みはさることながら、水面と明暗の表現がなんとも言えない。曲のイメージに沿ってて素敵。

 ……ここだけの話、最近ボイロ動画殆ど見なくなってたけど、こんな出会いがあるのならまたボイロ動画を漁る生活に戻ってもいいかもしれないとさえ思えました。良い。

 

 という訳で、多分これが私イチオシの作品です。1年経っても色あせず、寧ろ去年以上に感動で打ちひしがれたので本物だと思います。マジでこれだけは、これだけは聴いて欲しい。いや音楽は人の好みめっちゃ出るジャンルだし、人によっては単調でつまらないという意見が出る可能性もなくはないけど、私は胸を張ってこれが好きだと言うので。個人的には再生数も10倍あっていいだろと思ってるので。

 

 

 

あかり草と過ごすきりたん Full

ジャンル:歌ボ

 

 皆的にはさっきの歌ボよりこっちの方が大本命。

 実際そう。強い。

 歌はもうバケモンだから改めて何か言う事はない。この速度の曲を調声する技量はマジでヤバイ。少し真似してみたらすぐ分かる。そもそもまともに歌わせられない。ベタ打ちでいいから聴けるレベルに持って行くだけでも地獄。その上、高音低音も心地よくなるように調声してあるし、伸ばす部分もどうやってあのボイロ特有のビブラートモドキを消し去ってあんな面白い波打たせ方ができるのかよく分からん(ツール使っても難しい)。多分私よりもちゃんとお歌や音楽やってる人だと、もっとバケモンに見えるのかもしれない。知らんけど。

 ストーリーも相変わらず面白い。ひじき祭3回分を使って完結。きりたん強い。弱きものからは容赦なく全てを奪い、強き者には従い共生していくあかり草がほんと大自然の掟って感じ。色んな所にあかり草のホラーチックさを散りばめてるのも演出としてエグイ。ホラーでシュールなのにちゃんと謎の感動を生み出せるのがほんと強い投稿者だなあと思う。最後も含め、話の構成があまりにも上手い。

 ド定番だとは思うので見てる方が大半だとは思うけれど、見てない方で強者側の歌ボが聴きたい方は是非是非。このレベルでラップ系の曲を仕上げきれる人はそうそういないし。あかり草のホラーだけには注意してね

 

 

 

【第七回ひじき祭】琴葉茜の買い物テクニック【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 劇場系で一番好きなシリーズ。サムネとタイトルだけで貴方じゃないかと思ったよ。

 相変わらずのほのぼのとした温かい劇場。雰囲気を楽しむ、そんな動画。唯一無二の世界観。好き。

 今回はひじき祭の特別感がある作品というよりは、いつも通りのやつが来ましたって感じ。キャラが最初期から一貫しててブレないのが素敵。オチの雰囲気の安定感というか、そこに向かうまでの畳み掛けとゆるーい伏線がね、いつも通りの安定感で素晴らしい。終盤の葵ちゃんの調声が全部とても良い(モブ役の少女も含めて)。そしてさりげなく情けない声で戦死するタカハシェ……。

 このちょっと抜けてて楽しく優しい茜ちゃんのキャラを構成する演出と調声、台詞回し……良き……起承転結の転の部分も、「ああ、ここの茜ちゃんらしい選択と回想だなあ……」ってやけに納得してしまった。

 世界観の完成度が相変わらず凄くて、揺らぐことのない安定感がある良い作品群なので、ホームドラマチックな温かい琴葉劇場が見たい方は是非是非。このシリーズ全部お勧め。笑いあり涙ありの良いシリーズだからほんとに。

 

 

 

【飛び出す絵本】「こびとのクツや」【VOICEROID劇場】

 

ジャンル:劇場(カメラ制御ゴリゴリ系)

 

 編集力お化け。雰囲気作りお化け。今年のひじき祭の中では最も編集カロリーと技術力(純粋なAviutlの使いこなし)がヤバかったんじゃないかって思う。「もっと評価されるべき」タグがついてるし、前作も似たような絵本構成で「埋もれた名作」とかのタグがついてたけど、これは本当に埋もれるべきじゃない名作だと思う。去年の金平糖姉妹枠に近い何かを感じる。数万再生余裕で超えていいレベル。「サムネがよーわからーん」で敬遠するのは勿体ない作品。

 というか評価されなかった前作を受けて腐ることなく、寧ろ雰囲気作り全部パワーアップして帰って来てるその創作者としての心構えがあまりにも強い。

 冒頭の掴みから、

「図書館をAviutlで3次元的に再現して、本棚の間をカツカツと歩いて、途中で右折して、絵本の表紙と机とあかりちゃんがいて、絵本の前まで歩いてふと左を向くとあかりちゃんが微笑んできて、そしてそれから再び視線を戻して絵本を開き始める……」

って一連の流れが、まるでVRでもつけてるんじゃないかってくらい臨場感たっぷり。ほんと比喩じゃないレベルで凄い。歩行時の縦揺れも左右への視線移動も、歩く音も、光の表現も……全てがリアル。SE選びもBGM選びもかなり丁寧で妥協していない感じが素晴らしい。開幕10秒で引き込まれる。まだ本命の飛び出す絵本じゃないのにこのクオリティ。

 そこからの絵本パートは圧巻の一言。何もかもが立体的に飛び出して来るし、ページがめくれる演出も3次元的でエグイし、色んなモノの登場シーンや作成シーンがお洒落で凝ってて化け物。絵柄や素材選び、exVoiceのみで展開される物語が可愛らしくてほっこりする。

 そしてコメント欄を見て気付いた背景の小ネタ(背景が少しずつ変形して形をなしてる)。更にトドメのように刺して来るエンディングロールでの別視点絵本めくり(あかりちゃんを正面にして絵本がめくられていく映像)。当然のようにあかりちゃんの髪や身体が揺れてるし、編集カロリーと技術がバケモン過ぎて、同業者(紙芝居レベル)として試聴してると変な悲鳴上げながらぶっ倒れそうになる。

 編集技術お化けなのもそうだけど、その全てが雰囲気作りに繋がっていくのが素晴らしい。技術の使い方、魅せ方がよく分かっている無敵の投稿者。

 「Aviutlの神髄、ここに在り」って感じの作品なので、そういうモノが見たい方は是非是非。雰囲気もほっこり優しくて滅茶苦茶良いので、そういうのが見たい方にもお勧め。名作。

 

 

 

【第七回ひじき祭】金平糖姉妹【VOICEROIDなんとか】

ジャンル:劇場(ストップモーション・アニメーション)

 

 昨年異彩を放った伝説の作品、今年も見参。

 正直、直前に他のコンテストに金平糖姉妹を提出してたのが見えたので、ひじき祭不参加だと思ってたところに不意打ちでやってきたので嬉しかった。3作品とも素晴らしくてお勧め。

 色とりどりの金平糖を琴葉姉妹(とその他ボイロたち)に見立てて、ストップモーションアニメーションにした奇才の作品。ぶっ飛んだ発想に反して極限までに作り込まれた映像・可愛らしい台詞と調声・程よく散らかっていて人を惹き付けるジングル・金平糖という独自性を最大限活かす1発ネタに留まらないネタの数々……狂気と正気(丁寧?)、シュールとキュート……別々の方向性のものが随所にみられるのに、何故こうも素晴らしい唯一無二の作品になるのか。魔術師的なサムシングを感じる。

 「野生のNHK」みたいなタグもついていたけれども、実際そう。「ニャッキミッフィー金平糖姉妹」って並んでても違和感ない。出来がマジで本職のそれを彷彿とさせる。

 個人的には今回はゆかりさんの「じゃ、またね」が妙に癖になるのと、いつも通り擬音や単語繰り返し(まーちなさいまちなさい,ええなええな)、叫び系の調声が妙に可愛らしくて頭に残る。

 シュールで可愛くて面白いからハマるし、他の2作品もみたらどれかしらはリピートしまくると思う。そういう魔力がある。このサムネで万人向けの作品なのほんと面白い。誰が見ても何かしら「すげぇ!」だったり「可愛い!」だったりの反応が出てくる作品なので、気が向いたら是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】おつまみ作って茜ちゃん!_2【ボイ酒ロイド】

ジャンル:キッチン

 

 テンポよく進むボイロキッチン動画。MMDモデルで動きながらしゃべる茜ちゃんとあかりちゃんも良い感じ(おそらくレコッテスタジオ?MMDの方でガチで動かしてるなら凄い)。テンポ重視だけれども二人ともちゃんと可愛さを振りまいてくれる。

 マジでテンポが滅茶苦茶良い。動画テンポもそうだし、ハモ料理の段取りや説明・感想も機能美の如く無駄が削がれてて凄い。コメントに「段取りが大事そうな料理ね」みたいなのがあったけれど、この人の場合は料理の段取りも良ければ動画の段取りも完璧って感じがする。丁寧さも笑いも一切損なわずに極限まで圧縮されたキッチン動画感がある。忙しい現代人向け。後は単純にハモがとても美味しそうに見える。撮り方も作り方も多分強いタイプの人(詳しくないからなんも分からんけど!)。食べたくなる、試したくなる、って類の料理なのがまた良い。

 笑いや丁寧さも抑えつつテンポよく洗練された動画なので、簡潔にまとまった動画作りの参考にしたい方は是非是非。普通にボイロキッチン動画としても優秀なので、ハモ料理食べたい方も是非是非(私は後者の理由で試聴しましたまる)。

 

 

 

【第7回ひじき祭り】【電電公社設立の経緯】戦後日本の通信史 第2話【ソフトウェアトーク解説】

ジャンル:解説

 

 「ひょっとしてNHKの映像編集担当の方ですか?」と言ってもそこまで違和感がないレベルの解説動画。これはこれでバケモノ……さては化け物しかいないなこの界隈?

 緻密で丁寧な情報集め、選別、体系化、そしてそれを踏まえた上での時系列に沿った分かりやすい解説、テレビ番組のような最適な選曲と言葉選び・間の取り方・素材の扱い・洗練された図解……プロの所業。全部が丁寧過ぎて、良かった部分をピックアップして紹介するのすら無粋に感じる。それほどまでに完成度の高い作品。出典元も全部記載してあるし、そういう点でも抜かりの無い解説動画。冒頭のほんの少しの茶番チックな映像も重厚な解説動画らしくサラッと流すような、それでも掴みとしての役割を十二分に果たす良い導入。

 正直、そこまで電話に関して興味関心がなかったし、ここで色々と知れたのは面白かった。想像以上に戦後の歴史と共に歩んできているのがよく分かったし、ニュートラルな視点で情報をくれるこの感じがとても良い。

 15分近い上に少し堅めのお話だし、実際動画の雰囲気も本家っぽく重厚な感じなので人は選ぶけれど、この動画の雰囲気とガチ解説は中々味わえるものではないので、興味があれば是非是非。

 

 

 

【歌うA.I.VOICE】トンデモワンダーズ/琴葉葵(蕾)【第七回ひじき祭】

ジャンル:歌ボ(歌うアイボス)

 

 高速&高音をしっかり調声しきった、可愛らしくキラキラと跳ねるようなお歌。蕾ちゃんの本気を垣間見た、そんな素晴らしいお歌。MVは本家そのままだけれど、その分お歌に振り切ってるので幸せになれる。

 高速&高音はマジで自分で調声しようとするとヤバイ、挫折する(本日2回目の感想)。途中「ワーォ」とか「オッケーイ!」、「ショータイム!」みたいな感じで入る高音部分のお声がエグイ。電子音的だけど裏返るような面白いお声。というか全体的に程よい電子音チックな調声に仕上がってて素敵。弓鶴君の低音による支えも素晴らしい。優しい声してる。強い。

 いいねコメントにあるように、アイボスとボイロでタイミング調整全然違うのもエグそう。これだけ高速な曲だと猶更ヤバそう。私はやりたくない(やれ)。これちゃんと調声しきって形にしてんのほんと強い。

 高速高音の可愛らしいお歌が聴きたい方は是非是非。マジでこの類は作品として形にするのも難しくてレアなのでね(ほぼベタ打ち頼みの人種だと、高速高音は聴ける出来に持って行くことすら大変なので)。

 

 

【歌うボイスロイド】愛に奇術師/結月ゆかり【第七回ひじき祭】

ジャンル:歌ボ

 

 曲の雰囲気が好き(私情丸出し)。それとは別に、落ち着いてどこか愁いを帯びたゆかりさんの声とブレスたっぷりの独特なお歌。

 ブレスに対する執念のような情熱を感じる(多分気のせい)。入りと出口で兎に角使いまくるし、ロングトーンや繋ぎ目でも隙さえあれば入ってくる。伸ばす部分でも包み込むようなブレスがかかるお歌は普段中々聴かないから面白い(私の勘違いの可能性もあるけれど)。随所に見られる入りの溜めるようなブレスは芸術的。私もこれくらい自在にブレスを操ってみたい。強い。

 ブレスに目が行き過ぎたけれども、普通にロングトーンも滅茶苦茶上手いし(ボイロ特有の似非ビブラートの粗が一切ないエグイ調声)、「誰も誰も誰も誰も知らない」みたいな繰り返しながら上っていくサビ部分の揺らし方が素晴らしい。練度が高い。

 という訳で、調声もブレスも素敵で面白い一作なので是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】闘牌伝説ユカリ【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場(麻雀、ギャグ路線)

 

 編集技術の無駄遣い。いや違うか、逆にこれがあるべき姿なのか……?

 冒頭の愁いを帯びた上手い魅せ方から展開される怒涛の狂気とシュールな笑い。どこまで行っても編集が丁寧な上に上手いし面白い。取り敢えず30秒まで見たら分かる。シスコン葵ちゃんの狂気が中々ない方向に突き抜けてる。このネタ1つでも滅茶苦茶強力な笑いのネタなのに、「こんなのは動画構成要素の1つにしか過ぎん」と言わんばかりにその後も編集技術と狂気の笑いで殴られ続ける4分間。葵ちゃんのラストに至っては、「お前それはもう能力とその会得した経緯が、バトル漫画のおもしろ強キャラなんよ……」ってなる。ずんだ餅大三元は初回視聴時はあまり深く見てなくて気付いてなったけれど、見返したらちゃんとずんだ餅になってるのが凄い。……いやなんだよずんだ餅大三元って……。

 話の構成やネタが比喩抜きで天才のそれなので、割と誰にでもお勧めできる作品。麻雀知らなくても滅茶苦茶面白いと思う。クレイジーで笑える世界を見たい方は是非是非。かなりお勧めの部類。

 

 

 

【第七回ひじき祭】犯人はこの中にいる【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 六花ちゃんのパワフルな早口突っ込みと調声が光り続けるギャグ劇場。

 話の構成や時間管理がマジで上手い。掴みの部分から絶対に視聴者を逃がしてなるものかという意思を感じる、緻密に練られた動画。笑いの波みたいなものがどの動画でもあるものだけれど、波が収まりそうなタイミングで毎回高めの波長を合わせに来るのがあまりにも凄い(さっきまで○○シリーズ、きりんたん、時間巻き戻しトーク、きりりっか、etc……)。

 六花ちゃんの高め暴走気味調声の癖になる感じが素晴らしい。ギリギリ外れそうで外れないこの暴れさせ方が良い、六花ちゃんのほんのりとした怒りと困惑がよく伝わってくるし何より可愛い。言葉選びもどこか笑えるし可愛らしい。良き。

 まだキャラが固まり切ってなくて私が把握してないのもあるけれど、最後のオチが読み切れなかったのもとても良かった。言われてみれば「確かに、この子にはそういう落としどころがあるのか……」ってなった。そして、少しオサレで可愛らしくて素材作者達への敬意が払われた最後のエンドロールの素晴らしいこと。とても良い。

 基本万人に受ける作品だと思うし、クスリと笑えて可愛らしい作品なので是非是非。六花ちゃんの可愛らしさもよく伝わってくる作品だと思う。

 

 

 

【第七回ひじき祭】タカハシの名前【ソフトウェアトーク劇場】

ジャンル:劇場(ホラー)

 

 ほのぼのしたところから急転直下のホラー劇場。人によってはそこそこ怖く感じるかもしれない。個人的にはホラー系の中ではかなりマイルドで良心的でラストまで含めると寧ろ誰でも安心して見れる方……な気はする……?(肝である恐怖シーンもタカハシのせいで逆に笑ってしまったし……いやそこまで込みで中和させるのが作者の狙いか……?オチも優し目だったし)。

 作者がそこまでエグイことをしたい、視聴者を滅茶苦茶にしたいという思考の持ち主ではなさそうなので、そこは安心して見れる筈……そして「この作品はホラーですよー」ってタグや私の感想を踏まえた上で見ちゃうと、どういうタイプのホラーか途中で気付いてしまうのでそこで怖さは薄れるかもしれない。いや、多分タイトルや話の持って行き方からして途中で気付かせて身構えさせるのが狙いっぽいから、楽しみ方としては合っているのかもしれない……いや、そういうことをここで言うのがそもそも無粋な話か……。

 起承転結もホラーも全部よく纏まってて、ホラー部分とかは結構最初「うわっ」って身構えるくらいには凄い。六花ちゃんの調声も終始可愛いし、ささらちゃんの「――じゃないんだけど」も可愛いし、タカハシも落差がついてて良い作品。

 着眼点も面白いし話や調声もまとまってて良い作品なので、是非是非。

 

 

 

音街ウナ「東北がずんだおにぎりになった...!」

ジャンル:劇場

 

 1分で駆け抜ける疾走感溢れるギャグ劇場。

 選曲がこの1分でシャシャシャっと駆ける感じによく合う。カメラの前後への高速移動っぽい演出でサクサク喋り手を切り替える手法、トークのテンポや歯切れのよさ、語尾が「ウナちゃん」かの如く繰り返しまくる冒頭のずん姉様、グレー状態でも喋り続けるウナちゃん(と絶妙なタイミングでそれを指摘するきりたん&サクッと返答するウナちゃん)、「今日は何して遊ぼうか」でスッと引いてさっさと遊びに移ろうとするエンド、ページ早めくりのようなエンディングクレジット……兎に角早い。ここまで圧縮できるかというある種の感動を覚える。強者による動画最適化。

 1分でサクッと見れる楽しいギャグ劇場なので、時間が無い方も是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】夏の琴葉-みんなの水着

ジャンル:劇場

 

 健全(多分)で可愛らしくて楽しい劇場。

 編集が凝ってる。要所要所でよく動くし、立ち絵を目立たせるのが毎回丁寧だし(影、枠線の使い分け)、グダるかカットするようなシーン(着替え~プールIN)をコミカルにサクッと簡略化して見せるし、そもそも台詞や話自体がかなり短めに分かりやすく最低限のものを伝えて完結させてる感があって物語に入りやすい。全体的な雰囲気も爽やかさとコミカルさ溢れる配置や色使いでセンスがエグイ。強い。

 要所で琴葉姉妹の台詞を同時に言わせて被せるのが良い感じ。可愛らしさが加速していく。ほんのり緩いオチもこの世界観を上手くまとめて動画を終わらせる素敵な落としどころ。上手い。

 とにかく構成や台詞選びの段階で色々と最適化して圧縮しようとしているのが見て取れた。現代人向けで素晴らしい(決して皮肉ではなくて、私があまりその辺意識できてないから単純に欲しいセンス)。記号化の力というべきかなんというか、最小限の言葉や表現で視聴者に過不足なく可愛らしさを全て供給するこのDPS的なサムシングが凄まじい。

 雰囲気可愛らしくて爽やか、編集ゴリゴリ作り込んでで拘りあって技術エグイ、動画時間もサクッと見れて幸せになれる……とまあ強い動画なので、幸せになりたい方は是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】夜に駆ける【歌うボイスロイド】

ジャンル:歌ボ、劇場

 

 今時は少数派になりつつあるピヨ式の使い手。そして歌詞に合わせた劇場風味の動画。更には依頼サムネ。気合いの入った作品。惜しむらくは、ピヨ式の難易度の高さと(というかkotonoSyncが化け物過ぎる)今年のひじき祭では他の人と完全にネタ被りしたことか。あちらが初投稿とは思えない出来で凄いとは言えども、個人的にはこっちが好き……私が去年似たような動画でひじき祭に挑戦したから、過去の自分を重ねてる感もあって正当な評価じゃない気もするけど。

 「全てが分『かった』」のアップダウンの巻くような綺麗で可愛らしい旋律とかは中々kotonoSyncでは一発では出せない気がする(少なくとも私はそう)。こういうのがやはりピヨ式の魅力だよなあとは思ったりする(ゴリゴリにボイロ以外のソフトでピッチ弄った結果ならごめんなさい)。ピヨ式で楽曲に合わせるのもそうだけれど、ハモらせるところまで行ったらマジの化け物。タイミング合わなさ過ぎて発狂して投げだしそうになるところをやり切る熱量が凄まじい。

 映像の方も話が凝ってて面白い。『夜に駆ける』の歌詞の意味自体が最近は既に割れているので(タナトスの誘惑云々)MV作るの難しい部分ではあるけれども、自分なりに解釈色々考えて深めて派生させて……の先に自分の世界観を創り上げているのがヒシヒシと伝わってくる。歌詞からこの物語を作る感性は私好み。「なるほど、ここをこう解釈してこう繋げて…ああ最後こう持ってきて…」って思いながら見返してる時は結構楽しかった。「終わりにしたい」と「初めて笑った」の意味合いが原作と違う解釈になるのは色んな作品でよく見るけれども、他の作品だとそこから歌詞と一気に剥離して最後曖昧でぼんやりとしたまま終わるのが多いにも関わらず、この作品はキッチリ丁寧にそこまでの己の解釈を曲に乗せてまとめ切ったのが偉かった。それのクライマックスが依頼絵に繋がっていくんだからまあ完璧もいいところ。素晴らしい。どの段階でいじめっ子3人衆の構想や葵ちゃんの立ち位置が決まったのかは分からないけど、全てがこの2番ラストからの解釈を全て繋げきるためだけに存在したんじゃないかってレベルでドンピシャでハマってる。マジで凄い。三人衆の下駄箱の手紙の下りと葵ちゃんが茜ちゃんに喝を入れるシーンがまさしくそれ。本当に面白くて丁寧な歌詞解釈だった。ストーリーとキャラが淀みなく流れていくこの感じも美しい。

 でまあ気に入った作品は細かいところも色々見るのが楽しくなるもので。2番の前の立ち絵切り抜いた中に映像が流れて行く部分も、少しずつ2人が離れて行って2番以降の展開を暗示してるのが面白い。成程なと思った。「嫌いだ」の表現とかも素敵。このあかりちゃんの微妙な距離感や笑顔の裏で持ってくる暗い表現とソロハモリが良い。そしてなんだかんだ下駄箱のアレが一番2人に効いてるのが歌詞の運び的にもマッチしてて「まじでこの人自分の解釈一切取りこぼさないな……職人気質だな……」って関心してた。気丈に振る舞ってるけど実はあまり余裕のない茜ちゃんと、元から抱え込んでたのが爆発して目が凄いことになっててぶっ倒れそうなあかりちゃんの表現が良い……「君は初めて笑った」で悲しくも肩の荷が下りる(本当の意味ではまだ抱え込んでるけど)あかりちゃんの切なげな表現と、畳み掛ける編集やMixの熱量が良い……これだよこれ、こういう表現したいものが、作者の熱が伝わってくるこの感じがいいんだよ、これが私が動画を漁る意味だよ……いやひょっとしたら映像のプロ的にはそれはあんまよくないことなのかもしれないけど、私は好き。

 あとはまあ、髪飾りとかの表現は基本キッチリ押さえててEDにも出てきていいなあ程度に思ってたけど、よくよく見れば依頼絵も髪飾りちゃんとついてて、「ああ貴方はどこまでも自分の世界に拘れる人種で素敵だなあ……」って思った。マジで自分の世界を一切取りこぼす気がない、って感じの人種。

 という訳で、感想書くときに改めて見返したら更に深みが増して面白い作品でした。これはとても良いモノ。ピヨ式故の技術課題がどうしても難しい部分ではあるけれども、そもそもピヨ式とかいう化け物でハモリ有フルカバー作る職人気質のヤベー人種の作品なので、熱量がほんと凄い。個人的にはマジで創作のエネルギーが貰えた作品なので、皆さんも是非是非。

(これで「いや、空き時間にテキトーに作ったけど…?」って言われたらピャーって泣きながら引きこもる、多分)

 

 

 

あかりとわぁちゃん 2話【ソフトウェアトーク劇場】

ジャンル:劇場

 

 ほのぼの暖かく緩く、ちょっと不思議な劇場。といいながらもストーリーもキャラも設定も色々しっかりしてそうな本格派の匂い。編集力もお化け。多分去年も言ったけど、夏目友人帳が大好物なのでこういう類のお話大好き(隙あらば自分語り)。

 編集パワーがマジでお化け。メッセージウィンドウ1つ取っても構造や登場、文字の出現方法、使い分け(あかりちゃんの地の文の時だけ出現)と滅茶苦茶凝ってる。それ以外も挙げ出したらキリがない。わぁちゃん(あかり草)の影の表現とかも影がめっちゃ動くし、光が背中から当たって本体の前側が影っぽくなる表現もエグイ作り込みだし、会話中に補足説明(絵とか記号)する時もアニメーションが毎回雰囲気作りに一役買ってるし、シーンチェンジも引っ叩くシーンも全部よくできてる。アニメ感が凄い。SEも可愛らしい表現も全て雰囲気作りに集約されている。バケモン。

 台詞回しも一々素敵。「抗議の声を上げている。植物としていくらかの矜持があるようだ」とか「無名の木端妖怪程度なら」とか「妖怪を作り出す側ではなく、維持する側」とか。物語にスッと馴染む言い回しが多くて素晴らしい。

 調声も、ヒメちゃんの伸ばし気味の台詞の時が妙に可愛らしくて好き。あとはあかり草が「わぁ」だけでコロコロと表情を変えるのが素晴らしかった。ピカチュウっぽさがある。「わぁわ」好き。

 キャラも全員魅力的。ずんちゃんは相変わらず若干おかしい枠だけど基本優しいし、あかりちゃんは作中で言及された通りありのままを受け入れる朗らかな性格だし、わぁちゃんはマイペースでちょっと子供っぽいところもあるけど基本素直でさぁ今後どうなるか気になるし、ヒメちゃんは精霊っぽく子供っぽい面も見えるけれど老練した部分が見え隠れして今後どこでそれがガッと出てくるかワクワクさせられるし、よく練られている。

 ストーリー的には確かに説明回ではあったけれども、ただの説明回に留まらない惹き付けられるような構成だった。お守りの件もあるし、今後のストーリー展開に向けて蒔くべき種はしっかりと蒔いた感じがする。

 ナンバリングの途中のモノは普段あまり見ないけれども、サムネとタイトルに惹かれて見たら凄く良いものだった。この話だけ見ても問題ないレベルで話の構成がしっかりしてるし、ほのぼのできて楽しい。ちょっと不思議で可愛らしい話が見たい方は是非是非。

 

 

 

 

体を鍛えようとして挫折するOИEちゃん【CeVIO劇場】

ジャンル:劇場

 

 多分サムネから想像される通りの劇場。可愛らしさとギャグが詰まった1分間。

 サクサクと見れる物語構成。調声も可愛らしくて全部素敵。アホアホ姉妹。「絶望した!」の台詞のこれしかない感(ドンピシャの台詞だった)。オチのインパクトとBGM(まさかのリズム天国のアレ)。多分画面暗転中に予想されるオチが視聴者の中に数択存在する中で、中々笑えるのが来るので面白い。スライダー・フォーク・ストレートの中でスライダーに若干ヤマ張って構えたら、思った以上にキレ良く手前ワンバンするフォークが落ちてきた感じ。面白い。

 最後まで可愛らしい作品だし、1分で笑えて楽しい気分になれる作品なので是非是非。

 

 

 

【きりたんの秋田県紹介】#5「花火の街 大曲」【VOICEROID解説】

ジャンル:解説

 

 大曲の花火&丁寧な地元紹介動画。

 なるほど、地元が東北だと東北家の使いこなしが自然に馴染むのか……東北出身のアドバンテージ。とはいってもこの人の場合、地元知識があまりに深い。私が自分の地元についてこれだけ幅広い知識とトークができるかと言えばかなり怪しい。強い。過剰に褒め上げる訳でもなく、貶す訳でもなく……地元と共に自然な形で生活してきたんだなあってのがよく伝わる。地元とのこの距離感は中々出せないから素敵。

 「地元のお土産食べた事ないから分からん……だから個人的に好きなやつ紹介します!(地元感若干薄目)」とか、それに対するイタコ姉様の「それアド街ック天国っぽくならない?」っていう返しの分かりみが深い。地元紹介トークあるある。

 編集もどこまでも丁寧。発言した内容一つ一つを全て画像や説明貼り付けて拾い上げる労力。現地でのビデオ撮影も沢山してあって見ていて楽しい。トークジャンルもとても広い、「そこまで知ってるんかい……」ってなる場面が多くて強い。

 という訳で、ほのぼのした感じで小旅行に行った気分になれる良い作品なので是非是非。最後まで見たら少し楽しいことがあるかも?

 

 

 

【第七回ひじき祭】ずん子と茜はお菓子の家を作りたい【料理】

ジャンル:キッチン(の皮を被った漫才)

 

 キッチンではない(多分)。漫才。ほんま酷い(誉め言葉です)。

 開幕、10秒動画祭のような高速オチから入って、そこからも延々と漫才。途切れない茜ちゃんのツッコミ。古典派ボイロ劇場って感じのトーク構成で好き。怒涛のボケとツッコミが途切れないのほんと面白い。ボケの方に至っては投稿者の調理中天然ミスが混入することで暴力的なボケになってる。コメントと同じで、私も最初アレはバニラビーンズでも入れたのかと思ってたのに、まさかの理由で「えぇ……」ってなった。最後のオチも複数入れてて全部ちゃんと伏線や動画内容回収する形なのが偉い。そしてお菓子の家も最後案外形になってたのには何故か笑ってしまった。コメント欄が「割とまともにできてて笑う」みたいなスタンスだったけど、私もそうなった。あれだけ工程酷いように見せかけてたのに、案外完成系まともなのほんと笑う。

 動画自体の漫才完成度もさることながら、この動画のコメント達がかなり優秀。「OP以降笑顔を失う茜ちゃん」とか、ゴミみたいな面白ヤフー知恵袋問答を再現するコメント群とか、キレキレのコメントが目立つ。ニコニコのシステムにピッタリな作品。

 マシンガントーク漫才と良き時代のニコニコって感じのコメント群が素敵な漫才動画なので、興味のある人は是非是非ー。

 

 

 

【簡単】お外でプリンを作ってみた【アウトドア飯】

ジャンル:キッチン(野外)

 

 つづみちゃんの性格そのものを反映したような、静かで穏やかでゆるーいキッチン動画。

 川のせせらぎ……いや割と音を立てて激しく流れてる環境音を背景に、プリンを作っていく素敵動画。無人の河原に即席キッチン作って、ゴリゴリ料理していく様がやけに癖になる。見せつけるような卵片手割りから始まり、「あっつ」の笑いどころでクスりとして、美味しそうな完成品に見入る……一連の流れがよくできてる。すが立ってないのほんとに凄いし、カラメルも調理工程から既に美味しそうで垂らし方も魅せるやり方で凄く良い。この手のプリンはそこまで好みじゃないから普段は手を出さないけれど、こうやって見せられると興味が湧くのが不思議。

 そして、これを見た当初はあまりコメント付いてなくて気にならなかったけど、今見返してみたらコメント欄が「調理中の中身見れない」「プレミアムは中身見れるぞ」みたいなので埋まっててクスッと来た。そういえば確かに中身見えてないわ、ってなった。コメントは沢山ついたけれど、はたして投稿者的には嬉しいのやら悲しいのやら……。

 静かでのどかなキッチン動画なので(ガチの川の生環境音がBGMだしね)、落ち着いた気分でちゃんとしたキッチン動画を見たい方は是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】すずきつづみは山に登る #16〔9月の石鎚山 前編〕【CeVIO】

ジャンル:登山

 

 石鎚山登頂勢その1。何故ボイチェビ勢は石鎚山を攻めるのか……。

 ささらちゃんとつづみちゃんのトークが程よい主張の雰囲気動画。ゼェゼェ言ってる部分や伸ばし部分の調声が良い感じ。話さずに登山の様子を見せる間の作り方が、登山動画って感じの素晴らしい空気感。立ち絵もオンリーワンって感じの可愛らしさ。この動画単発でしか見てないけれど、キャラに厚みと歴史があるのも良い(夜な夜な走った成果で「あなたほんとにつづみちゃん?」って台詞が出るレベルの成長とか、正反対なようで似てるようなこの二人の性格の雰囲気とか)。次回予告の部分の畳み掛けるようなシュールな笑いと最後のぶつ切りも面白かった。

 映像自体はストック両手にゴリゴリ登るタイプだけれど雰囲気穏やかほのぼの動画で間の取り方も素敵な動画なので、自粛疲れで外の雰囲気味わいたい方は是非是非。後編も上がったみたいですしね。

 

 

 

舌足らずを改善したらしいウナちゃんにツボるきりたん【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 調声お化けによる笑いっぱなしの1分間劇場。シュタタラズ。

 言い間違える度に戻る字幕の丁寧さ。それから……。

 ……いやそんなことはどうでもよくて(よくないけど)、台詞選びと調声がマジで天才の所業。棒読みっぽい発言一つとってもただの棒読みじゃなくてほんと上手いこと作ってる。「ただただ抑揚を0にするだけが面白い棒読みじゃないんだな……」って衝撃があった。笑いを含んだ話し方もさることながら、笑い声単体のレパートリーが多過ぎる。ここまで使い分けて、ここまで変幻自在でリアルな調声をするのか……ってなった。七色の笑い声。1文の中でも抑揚や話速がエグイくらい変更されててビビる。台詞選びも多分天才。「今日むりかもしんねえ」って台詞があまりにもリアル。解像度が高過ぎる。そして私では絶対にこの場面でそんなドンピシャな台詞が選べない自信がある。ほんと天才の所業。ラストの暴走練習ときりたんの笑い声もマジで凄い。

 可愛らしくて笑える上に調声技術の高さに感嘆の声が出る、そんな素敵な1分間が過ごせる素晴らしい動画なので是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】ことのカービィ【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 デザインセンス良し、全編ボイパBGM良し、構成とオチ良しのバケモン動画。

 素早い導入からの可愛らしい世界観ピッタリのタイトルコール(色彩感覚とデザインがエグイ)、そこから先も丁寧かつ上手く端折りながら進むストーリー、茜ちゃんのビシバシ突っ込み、なんも分かってなさそうな葵ちゃんの可愛らしい「わかった!!」、マーキスターのはまり役具合、仲間スルーのくだりの小ネタたち、訳が分からないまま進むノリと勢いの最終決戦(「出た、エビフライソード」⇐知らない、「主食をエビフライにするついでに元の世界へ帰る」⇐???、裏切った上に伏線回収する葵ちゃんの大ボケ⇐?????、「やはりお姉ちゃんは天才か……」⇐??????????)、そしてラストの落としどころ。いやこのオチはほんとズルい。持って行き方が余りにもパワフル且つネタを押さえてて強い。

 編集も全部凝っててヤバイし(細かい移動や立ち絵のぽよぽよ等)、多分立ち絵も自作で口パク込みでやっちゃってんのがまあ凄いし、ボイパがエグイエグイ。ボイパそれぞれが単品で動画として出せるレベル。ボイパ4曲はエグイ。

 ……と思ったら動画になってた上にそれぞれの動画の見せ方が案外凝ってて、投稿者として変な冷や汗でてきた。音声波形の魅せ方もこれならかなりお洒落。なんだこのバケモン……。そしてちゃんとそれぞれのボイパのメンバーやメインがそれぞれの場面ごとで使い分けられてて素敵だった。マキちゃんとかはちゃんと「まーまーまーまー」言ってて可愛かった。

 なんかもう動画投稿者としてのステータスが全部振り切れてるタイプの人種の作品って感じのつよつよ作品なので、是非是非。内容も万人受けだし。マジで投稿者としてステータスが完成されてる。

 

 

 

【第七回ひじき祭】姉妹のおしゃべり6【VOICEROID劇場】

 

ジャンル:劇場

 

 今年もお会いしましたね。言葉遊びのセンスが光る琴葉姉妹のほのぼの劇場。

 去年に引き続き、ほのぼの暖かくてどこか抜けた感じの、でも言葉遊びのセンスは終始一貫して鋭い、そんなショートコント的なお話の詰め合わせセット。8分たっぷり色んなネタに溢れた楽しい時間。BGMも立ち絵もこの動画の雰囲気にドンピシャでほんとに良い。

 雰囲気がマジで良い。春のうららかな天気の中、草むらに寝ころんで日向ぼっこをするような暖かさ。この雰囲気出してる作品は他に見ない、というか唯一無二。

 言葉遊びのセンスを褒めたけど、それだけじゃなくて「ああ分かる」とか「なるほど確かに」っていう共感の部分というかなんというか、そういう部分もかなりくすぐられるので面白い。あとは単純にアホの子茜ちゃんの可愛さがあまりにも強い。その癖自分の強い分野になった途端知能が急上昇して「ぅゎ ぁヵぃゃっ っょぃ」って状態になるから温度差で笑える。ラストもサムネへ繋がる構成でとても良き。編集も「派手派手で分かりやすく強い」って部分はあまりないけれども、丁寧で凝ってる部分沢山ある。というか多分普通に私もこの編集全部真似しろって言われたら怪しい部分いくつかある。強い。

 ほんとに温かくて可愛らしい上に、言葉遊びの巧さが光る良い作品なので是非是非。「スピード感ない、爆笑できる面白さない、編集技術全面に出して殴ってくる作品じゃないと気持ち良くない」って人にはあまりお勧めできないけど。

 でも、私個人としては、今年もこのサムネとタイトル見た瞬間に「あ、去年凄い好きな感じの劇場上げてた人だー、わぁい」って言いながら秒速で飛びついたので、そのレベルではお勧めできる。見る『春の陽気』って感じ。ほんとお勧め。というか再生数に対してコメント数がエグイことになってる時点で名作なんよ。雰囲気が肌に合う人は是非是非見て下さいませ。

 

 

 

【第七回ひじき祭】ゆかりさんとダイビングしませんか?【柏島③ (高知県)】

ジャンル:解説(ダイビング)

 

 その道の玄人、という感じがヒシヒシと伝わってくる素敵な雰囲気を醸し出すダイビング動画。

 ほんとにゆかりさんがその場で簡潔に解説してくれるような空気感が素晴らしい。BGMや撮影映像の良さもあって惹き込まれる。ハナイカの模様が変わっていくのとか小学生になったような気分で見てた。懐かしい感覚。知らないことだらけの場所に足を踏み入れて、大人に先導されながらワクワクしながら色んな説明を聞くあの頃を思い出す。ほんとに空気感が良い動画。というか確か視聴した日、この動画を見ながら寝落ちした気がする。透き通っている筈なのに沈み込むような、安らぎのあるゆかりさんの声色とBGMと映像……良き……。

 なんもダイビングも魚も分からないけど、良い時間が過ごせたので海や安らぎを感じたい方は是非是非。

 

 

 

【歌うボイスロイド】Ready Steady【第七回ひじき祭】

ジャンル:歌ボ

 

 可愛らしさを孕んでるにも関わらずキレキレでカッコよくお洒落な調声の光る歌ボ。私視点だとバケモンの類に見える。編集も元ネタ(ちゃんと凝視した事はあんまないけど)に寄せててオサレ。多分バケモン。

 ゴリゴリに波形弄ってる系の調声。ヒーカップ調声のキレというかハマり役具合が半端ない。可愛らしさが増してる筈なのにカッコよさを損なわない絶妙さ。英語部分とかほんとに拘っててビビる、ああこんな面白い調声があるんだなってなる。サビへの盛り上がりとサビ入ってからのキレがまあエグイこと三者三様、ハモリかどうかによっても声の性格が変わってほんと奥が深すぎる。ハモリこんなお洒落にハマりますかそうですか凄い。なにこれ。「このまま」「望むなら」「wanna」の調声の鋭さと、元曲の良さ(wannaでスッと無音の溜めが入る)が相まってガッと魂が掴まれる感じが良き。「知り↑た↓あ↑あ↓あ↑ぃ↓→」ら辺のロングトーンの揺れ方もサビの終盤に相応しい盛り上がりだし、「Ready Steady?↑」の巻き舌具合というかクールさが1番の締めとしてあまりにも強い。茜ちゃんがイケメン。その後のラップパートもアップダウンゴリゴリ系の楽しい部分でほんと凄い。2番のサビも後ろで「Ahー」系のハミングが入って来て高揚感に満たされる(この調声もバケモン)。最後の「Ready Steady↓」もきりたんがカッコよすぎる。駄目だ語彙力と音楽知識が乏しいせいで薄っぺらい感想しか書けん……。

 編集はもうセンスと技術力の高さがただただバケモン。元ネタにある程度雰囲気寄せてるとはいえ、それでもこれは強者のMVって感じがする。そこまで自分が作りたい類のモノではないけれども、カッコいいMV作りたい人からすればほんとにこれはお手本のように映る気がする。揺らし方、背景、カメラワーク、文字のフォントや映し方に動き、影の具合、身体のどこを映すか、立ち絵の色調補正や要所で光る目……もう何がどうなってるのか分からんところも多い。どこからこの構成が出てくるのかも分からん。バケモン。

 圧倒的な編集力と調声による暴力的な3分30秒。入りやサビまでの過程が好みじゃなくても、取り敢えずサビの最後までぼんやり聴いてみたら惹き込まれる人は多いと思う。パワフルでハイレベルな創作を全身に浴びたいなら是非是非。私も気付けばこの曲を口ずさむようになってました。

 

 

 

【VOICEROID劇場】あかり漂流記【第七回ひじき祭】

ジャンル:劇場

 

 サムネからしてRaftっぽいと思ったら、既にコメント欄で言及されてたし投稿者もそれに反応してたしでやはりRaftだった。そんなイカダサバイバルモチーフのギャグ劇場。

 導入から話が流れて行くまでが完結で手早い。ナレーションやOP音楽の後ろで招待状シーンガンガン流して大体のキャラ関係や性格表してそのまま本編GO。強い。

 取り敢えず当たり前のように編集お化け。どちらかというと滅茶苦茶丁寧なタイプの方。1個1個取りこぼしが無いように、手抜きになる部分がないように、って感じの編集スタイル。あまりにも強い。ズームもけだまきの細かい動きも何もかもが丁寧。

 ギャグとネタの尽きない9分間があまりにも話の構成として強過ぎる。3チーム分グルグルと的確なタイミングで場面転換していくのも素晴らしいし、ちゃんと他チームの言動が他チームにフラグとして関与していくのが面白い。一貫して「他チームの言動をフラグに展開していく」っていうテンプレが守られてた上でそのサイクルをガンガン回していくスタイルで勝負したのが割と英断だと思う。3チームとも遭遇する問題や刃部の種類・性格が違うから笑いの要素がコロコロ変わる感じが強くて良い。というかそもそもぶっ込むネタの引き出しが多いのが強い。それに尽きる。台詞もセンスの塊みたいなのがちょいちょい出てくる。「ちゅわーはっは!」可愛い。「ぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁーっ!!」は特許取って良いレベル。

 オチは約束されたオチだったけれど、ああも編集で丁寧に状況を見せられるとほんとシュール。見終わった後も、ほんとこれだけの人数をテンポよくグルグルとサイクル回し続けてネタの絶えない9分間にしたなという感嘆の声が出る。強い。

 どうしても私の場合は投稿者目線として感心した部分が多かったけれど、素直に頭空っぽにして見たらとても楽しくて笑える9分半が過ごせること間違いなしの作品なので是非是非。

 

 

 

温泉のもと全部混ぜれば最強じゃない?【音街ウナ】

ジャンル:検……証……?馬……鹿……?(タグは一応劇場)

 

 タイトル通りの検証動画。一発ネタの方向性が交通事故モノ。夏と言えば事故による渋滞が風物詩だからね、夏にピッタリの作品だねうん(?)

 ……多分これ見た日は疲れてたんだと思う。なんか頭空っぽにして見たかったんだと思う。多分投稿者も疲れてる、疲れてるから入浴剤使った訳だし多分そういう事(ごめんなさい)

 入浴剤を紙皿に全部乗せてからドボンするの、「スパイスじゃないんだから…」のコメント通り無駄に「はい今から料理しますねー」感があるの笑う。無駄にお風呂場のウナちゃんの声に反響効果つけたりすんのも笑う。最後無駄にアース製薬のQ&Aを出典ごと記載するのも笑う。なに、この……無駄な丁寧さというか実直さというか……いや……なんだ……?

 サクッと見れる上に一発ネタとしてはTPO弁えてて誰が見ても問題にならない題材選びだし、動画の体裁も無駄に整ってるので疲れてる方は是非是非。

 

 

 

【歌うボイスロイド】抜錨【水奈瀬コウカバー】

ジャンル:歌ボ

 

 コウ先生の正統派歌ボ。さっきお勧めした「Ready Steady」の歌ボの人。

 さっきのがヒーカップっぽい波形使いまくりの女性歌唱のパワー全開だったのに対して、コウ先生単体で格好よく歌い上げてきたから温度差で風邪ひいた。いいね、野郎祭にもごちゃ混ぜで出してくれるの、ボイロの知らなかった魅力に気付けるのは楽しい。ハモリの気持ち良い重ねも当然のようにこなしてくるし、サビのあの一瞬伸ばすような間を作るような微妙なフレーズの繋ぎが滅茶苦茶巧い。ラストの「愛するということは」の最後切り方も巧い。フレーズの最後の調声が兎に角上手い、後味が良い感じで残る。

 男性歌ボの境地を一つ体験してみたい方は是非是非。少なくとも私は、この作品で「コウ先生歌わせても結構面白そうだな……」って感情を始めて抱いた。最近はタカハシの歌は結構良いの何個か見つけてたけど、コウ先生のには中々巡り合えてなかったからね……素晴らしい。

 

 

 

【VOICEROIDキッチン】こなこなチーズ(仮)を作りましょう【第七回ひじき祭】

ジャンル:キッチン

 

 甘ーい感じのほのぼの百合と丁寧で可愛らしい編集のキッチン動画。

 この感じの百合はたまに見るけど(半年くらい前まで身内のゆかきり使いに雰囲気全く同じ人いた)、最後までネタを散りばめてほのぼのしきって終わらせるから基本安心して見られる。安定感がある。編集も調声もネタも、パワー入れるところで何度もグッと入れ込んで来る上に一切雰囲気やテンポを壊さないようにしてくるので強い。伸ばし気味のあかりちゃんの調声が雰囲気ある。シーンチェンジのぐるぐるーが可愛い。すかさずあかりぬい入れてくるのもトークに隙が無い。

 料理自体も親がお手軽に、でもカロリー的にはヘヴィー目な間食作る時の雰囲気があって面白い。チーズ系で焼くだけお手軽おやつ作るのあるある。実際カロリー高くて毎日食べたら一発アウトなのも分かる分かる。ジャンキーで美味しそうなのが良い。

 甘めの百合が味わえる素敵な作品なので是非是非。

 

 

 

【歌うボイスロイドカバー】crash【琴葉茜】

ジャンル:歌ボ

 

 正統派茜ちゃん歌ボ。

 泣きが入りそうな震え声の、悲しげな叫ぶような選曲と調声。やっぱ私はこういう曲調が好きだから刺さる。私がこういうのやると毎回ガチャになるしガチり始めると1,2カ月かかるから、この作品は取りこぼしなく全編素敵に歌い上げてるのがマジでヤバイ。

 そして何よりも、最後の大サビは魂が震える。息を目一杯吸ってから、叫ぶような、声が暴れそうだけどギリギリを攻めて制御しきって聴き手の感情グチャグチャにしてくるような調声が素晴らしい。転調でキー上がってからの茜ちゃんの本気というか感情の濁流が凄まじい。こうも素敵に大サビを歌うのか……ってなる。

 感情が宿ってるなあってのがヒシヒシと伝わる一品。正統派の強くて泣きの入る歌ボで素敵なので是非是非。このサムネの一枚絵もとてもドストレートに感情を抉って来て素敵だしね。

 

 

 

【VOICEROID劇場】vo -I- ce #1

ジャンル:劇場

 

 お化け。もはや映画。重厚な感じの、キャラもストーリーも世界観もとても魅力的で、もう滅茶苦茶ワクワクするやつ。何気なく再生ボタン押したらとんでもないことになった。寝る前にスマホから軽く見る予定だったのに、気付いたらコメント消して部屋暗くしてヘッドセット付けて見てた。なんだこれ。

 最初のオサレな導入から、シームレスに重厚でガチガチな物語が展開されていくの強い。音楽の圧や動画の雰囲気に呑まれて、2分くらい経って音楽と共にタイトルがバーンと出てきたときには脱出できなくなってた。BGMから演出、配役、キャラ付け、舞台設定、物語構成、etc……もうプロの所業なのでは、ってくらい強かった。世界観と主人公の能力の特異性と、奇妙な出会い、そして間一髪のようなすれ違いを描いて2話目以降への期待感を最大限煽るストーリー……この手の作品の王道をこれでもかというくらい100点満点中400点くらいでぶち抜いてくるからゾクゾクする。説明も冗長じゃなく物語の中にカチッと組み込み形で自然に過不足なく供給されてくるし、同時にそれを違和感なく伏線にしていくし、その伏線を1話で回収する用と2話目以降で回収する用に分けてあるのも強い。あまりにも、あまりにも物語として質が高過ぎる。無限に摂取してたい栄養がここにある。

 キャラも全員魅力的。配役のバランス感覚のようなものが洗練されている。どんな裏があるのか気になるキャラクターが何人もいるし、まだ出てきてはいないけれど絶対にセイカさんの役もハズさないだろうなという信頼感もある。というかこの国のトップ層のキャラの言動や牽制し合うような会話での殴り合いがマジで名作のそれ。重厚なお話だと政治部分をどう解像度高く描くかが物語の厚み持たせるために重要なこと多いけど、この対立関係をここまで解像度高く描くのは見事だとしか言いようがない。あとは何気に伊織君の表と裏の顔をちゃんと描きあげてるからこそ、他のまだ裏が描かれていないキャラや登場してないキャラへの期待感が高まっているんだと思う。1話目で色々と創作自体に信頼感を持たせた上で、2話目3話目以降のドンドン弦の振れ幅が大きくなるような予感を視聴者に覚えさせる……強者の手法だなと思う。実際2話目以降も絶対裏切らないだろうし。

 どれだけ語っても無粋だなとは思うので、物は試しに視聴してみて下さい。飯食いながらでもいいので時間確保して、金曜ロードショーでも見るような感じで。これは良いモノ。

 

 

 

【第七回ひじき祭】タルタルソースってなんだよ【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 タイトルホイホイ。シュールな笑いとキレキレの台詞に殴られ続ける4分間。

 最初のなんとも言えない変な笑いと可愛さのある雑ダンスから、徐々に加速していくネタと台詞。ダイヤルアップ接続というネタの発想が天才のソレ。ここからのギアの上がり方が凄まじい。ダイヤルアップ音で返信するのも天才のそれ。ウィキペディア支援に繋げる発想、それに対する茜ちゃんのキレキレ例え、いいねボタン遊び……中盤の笑いの最大風速がほんとに凄まじい。畳み掛け方の切れ味があまりにも鋭い。

 タルタルソースの正体も知れたし、サムネとタイトル通りの期待を裏切らないシュールな笑いも得られたしで確かな満足のある作品。ダイヤルアップ世代もそうでない方も是非是非。

 

 

 

誰も走り方がわからないボイロ娘プリティーダービー【第七回ひじき祭】【21夏MMDふぇすと本祭】

ジャンル:MMD劇場

 

 とんでもないギャグ劇場。お腹抱えて笑うタイプのやつ。基本ひじき祭以外ノーマークだから分からんかったど、過去作も全部面白かった。

 既に冒頭の前回大会の振り返りが情報量多過ぎて訳分らん。そこから先もネタと編集技術の怒涛の暴力。というか「技術やネタが云々――、ここの拘りとネタが――」ってわざわざ絞って感想言う必要ないレベルで完成度が高い。そんなわざわざ褒めるところ探して何か書かなくていいレベルで、素直にそのままお腹抱えて笑えるヤベー作品。強過ぎる作品は何が強いのか分からなくなるって類のやつ。

 個人的には葵ちゃんが可愛かったのでそれで満足。リングフィットやっててよかった(やってないと流石にネタが分からんかった)。そして毎回遺影になる茜ちゃんだけど、今回は遺影がいいね催促ボタンも兼任しててとても笑った。基本的にどうしても動画の雰囲気や面白さを損なうようないいね催促が多い昨今ではあるけれど、この作品は程よく笑いに昇華させてて面白かった。今回のひじき祭のいいねボタン関連で一番笑ったかもしれない。

 誰が見ても笑える、というかボイロ関連関係なく笑えるので(過去作は更にゲーム要素が薄いから本当に万人受けする作品)、普通にハイクオリティな作品で大笑いしたい方は是非是非。

 

 

 

【クラシック】実業家のおじさんが指揮者になりました【ソフトウェアトーク解説】

ジャンル:解説

 

 一人の指揮者(?)のクレイジーな経歴や一生を追う解説動画。完全に私の趣味嗜好枠のお勧め動画。

 人生の成功者になった実業家の人が、とある1曲に心を奪われて、音楽経験皆無の状態で40代から転身して1曲だけを極めた指揮者になったお話。校訂するのは流石に熱狂の域を超えて酔狂の領域な気がする。面白い。題材が既に惹かれる面白いものだけれど、この解説動画だとかなり詳しく色んなところから集めた情報をまとめて15分語ってくれている。時代背景や音楽の話、自分なりの解釈……調査も思考も十二分にされているのがよく伝わってくる解説動画。

 知ってる人には既に通り過ぎた話、知らない人は逆に興味抱き辛いし15分と長丁場でキツイかもしれないが、私と同じようにふとタイトルに惹かれた方なら是非是非。銀英伝好きな人ならほんの少し見る意味があるかもしれない。多分。

 

 

 

【タカコウ】彼の長物【ボイチェビ劇場】

ジャンル:劇場

 

 オサレ劇場。空気感を楽しむ動画。男性陣のみの劇場ってのもこれはこれで独特の空気感があって良い。

 何よりもまずはこの空気感。タイトル、説明文、BGM、画面配置……全てが雰囲気作りに集約されている。面白い。コウ先生のキャラの感じが「ああ、これは中々どうして雰囲気のある先生だなあ……」って感じがする。常に本が隣にある、息をするかの如く言葉と知識を習得し続ける人種の解像度が高い。トークも一見気取ってるような内容に見せかけて知識人のコウ先生が自然体だから絶妙なバランスに落ち着いてるのが素晴らしい。普通に「へー」って思った内容もあるし、このオチが若干軽くつくような会話の質感がまた良きもの。

 この感じの動画をひじき祭期間中大量に出してたし、多分ハマる人はハマるので是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】午前0時のあかねごはん:番外編【豚ばら唐揚げ】

タグ:キッチン

 

 強者のボイロキッチン。週1投稿ペースで、自分の世界観と編集の雛型が決まっていて粗が一切ないタイプのバケモン。不動の安定感。

 割と真似できそうなライン且つ滅茶苦茶美味しそうなのがとても魅力的な料理。頻繁に食べてたら太る気がするけど(コメントのカロリー爆弾が的確)、お安い豚小間肉で幸せになれるのならとても良いレシピだと思う。

 編集はもうこなれてんなってのがよく分かる。テンポも過不足ない情報提供も笑いも可愛らしさも映像も全部完成度が高い。映り込み防止の茜ちゃんは可愛い上に撮影時のどうしようもない問題を解決する一石二鳥の技。お狐さん色の表現があまりにも可愛い。ゆかりさんの捕獲に失敗する一連の流れも可愛らしい。支援絵の出し方も素晴らしい。

 更新ペース早めの強者の安定感が光る作品なので是非是非。このシリーズが気に入ってハマった場合、過去作が大量に上がってるのと基本週1ペース更新なので視聴者的には天国だと思う。固定ファンになったら幸せになれるタイプのやつ。素敵。

 

 

 

すわ姉妹

ジャンル:劇場(?)

 

 可愛らしさ全開の筈なのに全編脊髄反射トークのヤベーやつ。というかタイトル・サムネ・説明文でなんとなく察してから再生ボタン押したけど、「やっぱ案の定貴方やんけ!!!」ってなった。サムネ情報見てから動画投稿主特定余裕でした、対戦宜しくお願いします(?)

 この深夜テンションの大学生 or 10連勤で思考がパラッパラッパーになった感じの社会人が、ギリギリ残った理性のブレーキ踏みつつも脳味噌大暴れさせて作った感じのしっちゃかめっちゃかトーク好き。脊髄トークの上澄みだけを持ってきたような、そんな台詞選び。会話があっちこっちに飛ぶし、割と言及通りちんちん亭だし(動画内より引用)、もう滅茶苦茶。いや確かに立ち絵名は「ことのは(すわ)」だけどですわちゃんってなんだよ……。そして茜ちゃんの膝の圧が凄い。キャプテンファルコンの空前状態。そして痛がった上にビビり散らす葵ちゃん可愛い。茜ちゃんのちんちん亭パートの巻き気味の調声が癖になる。

 どの層にお勧めするものか判断しかねるけど、頭溶かした状態で琴葉姉妹で笑顔になりたい人には多分お勧め?過去作も全部こんな感じでシュールな脊髄反射トークっぽいのが多めだし、手書き劇場(?)作る場合も多いしでまあ凄いので、過去作も含めて是非是非。

 

 

 

弦巻マキと琴葉姉妹の作って遊ぼう!【キラカードってどうできてるの?】

ジャンル:解説

 

 強者の「作ってみた(依頼してみた?)」的な解説動画。サムネ見て「へぇー、面白そうなことしてるー」って思って開いたら、まさかの『琴葉姉妹とライサント島の伝説』の作者本人だったやーつ。そりゃお前手描きで自作のカード作れるわな……結局、「極め切った場合、絵が描ける人種がこの手の界隈では最強」って度々言われる理由がよく分かる動画。あくまで色々極め切った場合だけど。

 全編が手書き漫画(音付きだから手書き劇場とも言う)のヤベー作品。作りもSE・BGM選びも編集の動きもネタも動画構成も何もかもが超ハイレベル。ネタとガチ解説とほのぼの感のバランス感も素晴らしい。商用で色々映像や漫画作品作ってる人ですか?ってレベル。終始可愛いし内容も面白いし勉強になる。全部が揃った10分間。

 個人的な感想を述べるなら、リーリエパロディの葵ちゃんカード欲しい。とても欲しい。この人手描きで割と再現できてしまうの強い。ダイマックスマキちゃんも可愛い。そしてカードの解説も私自身色々知らなくて勉強になった。キラカード作り自体全然仕組みや必要機材知らなかったし、カードサイズの話も言われてみればそうだし、業者委託がちゃんとあるのもあまり知らなかったし。色んな成分が摂取できた動画だった。

 という訳で、マジモンの強者による漫画風手書き劇場兼ガチ解説動画兼依頼して作ってみた動画になってるので(属性特盛)、皆さんも是非是非。間違いなく万人受けだし、誰が見ても凄い動画だし何より見てて楽しい。

 

 

 

ぷちぷちきずおね「…少しくらいならいいよね?」【第七回ひじき祭】

ジャンル:劇場

 

 ゆるゆる可愛らしい劇場。

 オネちゃんの調声(主に伸ばす部分というか文末)があまり聞かないタイプだったから興味深かった。伸ばし方が普段よく聞くスパーンorびよーんって感じで伸びるタイプじゃなくて、結構下げ気味のキュッとした感じ。「研究がてらもう少し聴くか……」って思ってたら気付いたら1分半終わってた。

 作風もゆるふわ系で終始ほんわかした気持ちになれるし、編集もまとまってて雰囲気一切損なわなくて良き。最近流行の感情系のアニメーション、自分も入れてみようかなという気分になる。丁寧な作りで良き。

 1分半で気楽にみれてほのぼのできるので、是非是非。

 

 

 

鬼と鈴 第壱話【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 はい今年の本命。この雰囲気と物語大好き。これを見て「うおおおもっと伸びろおぉぉぉ」ってなって今年も感想記事書くのを決めたまである。その割には普段人の作品見ない人種だから、ナンバリング追わなくなる傾向高いのがアレだけどね

 鬼退治をする神様ついなちゃんと、何の縁かそれに協力することになった死神弓鶴君の、鬼退治の物語。夏目友人帳好きだからまあドンピシャでぶっ刺さった(ボキャがこれしかない自分が悲しいけれど)。

 鬼退治以外には疎くて興味のないクソ真面目なついなちゃんと、趣味と胡散臭さ全開で掴みどころのない弓鶴君の独特の距離感がとても素敵。いいね押した時の作者コメントの「バディモノの好きな要素突っ込みました!」的なコメントの分かりみが余りにも深すぎる。ついなちゃんの行動にタダとは言わないまでもそこそこぼったくり気味で乗っかる弓鶴君の性格があまりにも相棒モノとして魅力的。「残念魂取り損ねたか……」「何が残念じゃアホンダラ!」のやり取りから始まる一連の流れとかほんともう垂涎モノですわよ。戦闘もそうだし、「ここからは僕の仕事だ」って構成も面白い。

 そして次回に向けて現世に溶け込んで上手く売り子やってるついなちゃん可愛い。んでこの店先で弓鶴君と腐れ縁の会話を交わす感じ大好き。そして2話へのワクワク感(梅の精霊云々)と共に、もう一個大きめな伏線を張った上で(何故悪鬼が持っている筈の――、って下り)鈴の音と共にフェードアウトする動画。うーん、素晴らしい!好き!後々見返すと、最初の鬼気迫る立ち絵と声色からの弱体化でちんちくりんになったついなちゃんの落差も面白いしで、何度見返してもたしかな満足。

 ……更に、今気づいたけれど、この人去年私が感想文でリストアップした作品の一つ「精霊の接ぎ木」を作った人だった。貴方でしたか……そりゃ期待を裏切らんわけだ。

 という訳で、妖怪系と相棒モノの面白い要素たっぷりの面白い作品なので是非是非。ついおりの独特な距離感と素敵な物語構成をすこれ。

 

 

 

【第七回ひじき祭】ウナきりテストウォーズ【ソフトウェアトーク劇場】

ジャンル:劇場

 

 可愛らしいウナきりギャグ劇場。題材選びと会話の感じがとても良い。

 テストで良い点とった方が言う事聞かせる系のアレ。お互いやらせようとすることが平和で優しくて小学生っぽい可愛らしさも含んでて素敵(子供の金銭感覚的には賭けとしてはそこそこスリリングな気もするけど)。人によってはこのポーカーの騙し合いみたいな部分を中心にゴリゴリ面白くするんだろうけれど、これはこれで等身大の小学生って感じで楽しそうで良い。というかこの作品だとちゃんとしたオチがこの後に更に控えてるからこれが正解な気がする。オチがちゃんと落ちてて惨いからね(いや滅茶苦茶平和だし手心があるだけマシだけど!)。

 発想の良さと小学生らしい仲良く平和な空間が広がる素敵作品なので是非是非。

 

 

 

会社辞めてninja250で日本一周 Phase 25

ジャンル:車載

 

 言わずと知れた名作シリーズ。正直今まで存在は知ってたけど、見た事はなかった。ちょっと今年は諸事情で「再生数多い動画は、ナンバリングエグかったりサムネやタイトル情報がNot for meでも一応見てみるか……」ってのを意図的に増やしたけど、蓋を開けてみたら滅茶苦茶面白いし唯一無二の企画だしでほんと素晴らしかった。単発で見れて面白いナンバリング作品は名作。

 冒頭からマシンガントークでスピード感凄いし、さり気なくゆかりさんも髪揺れしてるし、そしてそのまま見てたらとんでもなく凝ったハイセンスOPにぶん殴られた。気持ち良かった。トークがほんと途切れないし面白いし知識もネタも豊富だし、視聴者もガンガン話に乗っかる形で議論したり突っ込んだりしてるこの空気感が素敵。ニコニコだからこそ、っていう強さがある。ゆかりさんによるラジオ君ぶん殴り罵倒トークも王道ど真ん中ぶち抜いて行く感じで見ていて気持ち良い。

 個人的な感想に絞ると、「えっガソリン安すぎんだろ……」ってなった。映像として数年前の記録ガーッと見てるとこういうところに目が行って楽しい。味のトークが等身大で素直なので知人や友人の話聞いてる感じの信頼感ある。「札幌の時計台みたいな味」っていう食レポのセンスがトチ狂ってる。そのセンス欲しい。この時のコメントの嵐もニコニコって感じで大好き。そして畳み掛けるように「嗚呼……(時計台の)鐘の音が聴こえる」って台詞をアニメかどっかから引用してゆかりさんの発言に被せるの、マジで天才の所業。その後もトークの振れ幅がほんと強い。あまりにも教養と雑学力が高い。BGM選びもマジで素敵だし、写真カシャカシャパートも凄い惹き込まれるような写真ばかりで強い。100日以上あるのに食事妥協せずにちゃんと現地で調べて行ってるの、旅を楽しもうとする熱量があって良い。そして持ってるタイミングでの雨。さすゆか。なにこの恵まれなさ。あとは本日の支出って言いながら毎回まとめるのデータとして面白いし偉い……駄目だ30分間盛り盛り過ぎて感想グチャグチャになってきたな……。

 ラストの雑MADっぽいエンディング好き。ワイスピと快活を重ねるの笑うし、無駄に快活マークの角度変える丁寧な雑コラがもう駄目、笑う。「くぅあいくぅぁつ」の発音がツボる。最終回予告の空気感もちゃんとあって好き。そしてやはり視聴者に愛されてるなと思うのが、最後の最後に出てきた快活職人によるコメント。なんだよ快活職人って……。

 名作なので知らない人探す方が難しいのかもしれないけれど、知らない方は是非是非。私も初見だったけどとても面白かったし、動画シリーズが過去のモノになってしまう前に、というか最終回直前のギリギリのパートで視聴できてよかった。私も最終回を見届けたいと思います。

 

 

 

【VOICEROID劇場】ちっちゃいお姉ちゃんとお昼寝したい葵ちゃん

 

ジャンル:劇場

 

 琴葉姉妹オタクが限界になるタイプのほのぼの動画。タイトル通り。

 お外行きたい活発で優しい茜ちゃん好き。「もう決めちゃいました、葵ちゃんは今日ウチと一緒にピクニックに行くのです!」って言い切る茜ちゃん可愛い。ダウナーな感じだけど姉に甘えてる葵ちゃん好き。抱っこしてお昼寝してる描写がシンプルに琴葉姉妹オタクをぶっ刺す。1分半という短い時間でドストレート且つシンプルに、最短距離で急所射貫いてくるこのスナイパーな感じの動画はもはや芸術(琴葉姉妹オタク)。

 という訳で、滅茶苦茶可愛らしくて素敵な動画なので是非是非。

 

 

 

『足音』【第七回ひじき祭】

ジャンル:ホラー

 

 夏の怪談、って感じの実体験トークホラー。

 きりたんの語りが雰囲気があってとても良い。言葉選びが全部丁寧だけどダレる感じもなく的確で、それでいて詩的な部分も沢山あって素敵。鈴とか、予定調和とか、弾かれたように壁へ――辺りの表現はスッと入って来て良いものだった。小説家方面のセンス。BGM選びも的確で静かな恐怖にしっかりと味付けしてくる感じがある。そして人からの心配は分かるけれども正直そこまで知ったこっちゃない子供きりたんと、心配性で子供思いで子供からは若干ウザがられる(けど大事にされてるのは伝わる)タイプの母親状態イタコ姉様の解像度があまりにも高い。リアリティあって面白かった。

 物語の一番の肝である逃走系ホラー部分が臨場感たっぷりでとても良い。BGMにSE、画面の影や揺れ、きりたんの語り、追い込まれ方……全てがよく練られてる。この闘争パートでしっかりと賢さを出すのがきりたんらしくて良いけれど、そんなもんお構いなしに追い詰めてくるのがほんとエゲつない。そしてこの怪異同士で色々行動目的や関係性が絡み合って、なんか偶然助けられるこの感じも人間の力の及ばない理不尽な怪異達をよく表しててとても良い。その後の地下室云々の話の時に補足してくれたコメント欄達有能、助かる。

 最後の更なるオチもとても良い。いや、「ご視聴ありがとうございました」の後にこれを持ってくるのはズルい。コメント欄君が仕事してるせいで、過去動画も気になる感じになってた。凄い。

 夏にピッタリの正統派で完成度の高いホラー作品なので是非是非。

 

 

 

【Voiceroid劇場】「健康診断」【第七回ひじき祭】

ジャンル:劇場(漫才)

 

 健康診断という名のコントが進んでいく劇場の皮を被ったお笑い動画。

 ボケも基本に則ってるように見せかけて、当たり前のように2,3段くらいツッコミにボケを被せるのをサラッとやってのけるのが非常に高度なボケ方。茜ちゃんもツッコミもお手本の様にスッキリしてるしたまに時間差でツッコミ入れるのが緩急効いてて面白い。ラストのオチも伏線キッチリ回収するようなオチでコントとしての完成度が高い。いいねコメントが更に2段オチになってるの、個人的には滅茶苦茶評価高い。いいね催促なかったのにサラッとそこに笑いを仕込むのは想定外で面白かった。

 通しで見て初見で笑って欲しいので内容はあまり触れられなかったけれど、コントとしての構成がとても優れた作品で面白いので是非是非。

 

 

 

【ついなちゃん】予↑感↓【第七回ひじき祭】+UST&VSQX

ジャンル:歌ボ

 

 中々聴く機会のない、ゴリゴリにmixしてメインボーカル以外のハモリ類も全部丁寧に作り込まれたついなちゃんの歌ボ。

 選曲が良いって感想はズルい気がするけれど、それでもやはり曲の雰囲気が好き。この静かな感じがやはり私の肌に合う。そしてこのゴリッゴリのmixがとても素敵。自分が殆どできてない分野だからこそ惹かれるのもあるだろうけれど、イヤホン付けて聴くと感動する。ハモリやバックコーラス(なんて言うのか分からん)も全部しっかり作り込まれてて、主張し過ぎず厚みを持たせるように存在しててとても良い。左近めからメインボーカル、右から高めのハモリ、さらに左から低め、そして左右の遠い場所や色んなところからバックコーラス……立体感があって良い。静か目な曲で調声を誇示するような曲ではなさそうだけれど、それでも技術の高さが見え隠れするのが強い。

 という訳で貴重なついなちゃん歌ボでとても素敵なので、是非是非。

 

 

 

【第7回ひじき祭】ポンコツアンドロイドARIA3【ソフトウェアトーク劇場】

ジャンル:劇場

 

 おマヌケな感じのボイチェビ小劇場詰め合わせセット。半分以上が割とアリア姉妹以外の劇場だったので「タイトルの意味とはいったい……?」ってなったけどまあ可愛いからヨシ。

 人工アンドロイドたちが沢山存在する世界観。可愛くて面白い話だらけの素敵な劇場。アンジャッシュからお手伝いアンドロイドvs家電、etc……お笑い系の劇場動画の要素色々押さえてて良い感じ。後半が完全に世界観説明兼開発元サイドのストーリーで若干味付け変わって不安になるけど、ゴーイングマイウェイで後半全部描き切る熱量自体は素晴らしい。

 短編詰め合わせって感じで何を描きたいかがよく伝わってくる作品なので是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】葵の最強座席表【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 タイトルとサムネの期待通りの陰キャのお遊び(本編より引用)劇場。とても解像度が高くて素晴らしい。

 オタクちゃんがクラスの席替えの理想を語るだけ。調声(怒り&悲しみほぼ全振り?)と風貌もよくマッチしてる。しかもこれが、ただ単に葵ちゃんに優しくて過ごしやすい席、って訳ではなくてクラスメイト同士でカップリングし始めたり人間性と席配置の意味を語り出したりと大暴走するからとても良い。そして葵ちゃんに付き合ってあげてるだけのあかりちゃんかと思いきや、葵ちゃんがビビるレベルで力強い発言するあかりちゃんも結構恐ろしい子……。右上にバチクソ顔の良い子を置く理論とかは「はへー、なるほどなあ」って関心して聞いてた。初心者向けの席ってなんだよ……。

 そしてオチも、予想通りのど真ん中を突き抜けてくれた上に、ちゃんと尺取って丁寧で優しく描き切ってくれたのでとても良かった。謎テンションオタクトーク劇場の筈だったのに、ちゃんとラスト数分間でちょっぴり感動できるのズルい。ズルいというかマジで丁寧で上手い。

 期待や予想を裏切らない、面白い作品なので是非是非。

 

 

 

背後の霊【CeVIO劇場】

ジャンル:手書き劇場

 

 夏らしい?題材の手書き劇場。背後霊つづみちゃんが小学生ささらちゃんに憑くお話。お前これで初投稿ってマジかよ……(流石に他分野の経験があるとは信じたい)。

  基本ギャグ気味路線だけど心温まる、そんなお話。選曲も良い。ささらちゃんの「おかあさああああん!!(泣き声)」の調声があまりにも可愛らしい。つづみんがニヤついてる時の顔が可愛い。というか表情がコロコロ変わるから見てて飽きない。だけれど、シリアス展開の時にふと見せる感情が一瞬抜け落ちたような表情にハッと惹かれるのがズルいし、そこからまた表情コロコロ変える緩急がグッと来る。コメント欄も優秀、ささらちゃんに対して「やさしくて聡い子」っての表現するのがほんと的確。

 3分半に面白さやハッとする表情が詰まった良い手書き劇場なので、是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】きずゆか気まぐれクッキング【クレープ】

ジャンル:キッチン

 

 OPと進行画面のテンプレが完成度高めにキッチリ組まれてる強い側の投稿者による、クレープクッキング動画。

 シンプルに粗が一切無くて強い。発言の度に立ち絵ぽよぽよさせたり、導入トークもかなり自然だったり。無駄なトークもなくテンポ良く、最短の時間で題材を120%活かす動画構成。というかキッチン勢全般の作品が全部編集の完成度高い上に丁寧な気がする……やっぱ料理してると段取りとかでその辺鍛えられるのか?実は動画編集強くなりたいなら料理するのが早道だったりする?()

 料理の手際も見事。カメラ撮影も粗が一切ない。クレープの包み方3種類の説明も最小限且つ分かりやすくシンプルに。完成した時の盛り付けや撮影は圧巻の一言。滅茶苦茶美味しそうに見える。完成度で殴られる感じが凄い。

 ザ、優等生って感じの王道キッチン動画で、誰が見てもハズレにはならない作品なので是非是非。

 

 

 

いちご味のかき氷を食べただけなのに feat. 琴葉葵【歌うボイスロイドオリジナル曲】

ジャンル:オリジナル歌ボ(ホラー、グロ注意)

 

 問題作。Twitterで先に見ちゃったので少し別枠扱いではある。日常がぶっ壊れる感じの描写を、それぞれの分野の人が合作で理詰めでやるとこうなっちゃいますよ、って感じの実験動画(多分)。

 去年も今年もひじき祭のホラーモノはそこそこ目を通した筈だけど、下手にドストレートなホラーモノをやられるよりもよっぽど恐怖を感じる。初見の時の違和感というか、来るであろう急転直下に備え続けるこの緊張感がとてもキツイ。この緊張感は音や演出のマジックなのか、はたまたTwitterで先にチラ見してしまったが故の恐怖心の幻影なのか……。4,5週してくるとだいぶ慣れてくる、というか普通に「可愛い曲だなあ」って麻痺してくる。謎。

 あんま下手に考察して逆に作者を傷つけるパターンもあるので難しいけれど、「夏の醍醐味」とかの部分に代表されるような、少し跳ね過ぎて外れるような短いしゃくりやフォールが気持ち悪さの予兆だったりするのかなと思ったり思わなかったり。最後の「しよ?」のところで音が無くなるのもホラーのド定番って感じで最後まで恐怖タップリ。映像はマジで殴られるその瞬間まで分からなかったけれど、演出がエグイ。最初ノイズで反転する数十フレーム前には既に血染めになってるのがやらしい。コメント欄の「窓割れてね?」にあったように、がっこうぐらし!感がある日常からの反転がまあ刺さる刺さる。やはり下手なホラーよりも可愛らしい日常系から突き落とすのが我々オタクには効く。

 間違いなく、万人に進める訳にはいかない作品なので(それでも随分マイルドな方だとは思うけど)、ほんの少し夏らしく涼しくなりたい方orダークなモノに抵抗一切無い方は是非是非。

 個人的には、記憶一旦リセットして先入観ゼロ・コメントや注意書き非表示で試聴したら、本当はどこでどう違和感を感じるのかの人体実験をしてみたい作品ではある(作品の感想かこれ…。)

 

 

 

 

【セイあお】juicebox【歌う京町セイカ&シンセV琴葉葵】

ジャンル:歌ボ(半分シンセV)

 

 ほんのりしっとりした動画の雰囲気と曲調、そして素晴らしいハモリが光る歌ボ作品。

 イントロの画面の魅せ方もシンプルだけど、曲に対する理解度が非常に高い雰囲気の導入でとても良い。「コバルトブルーに染まってた」までは取り敢えず聴いて欲しい。で、もうちょっと聴いていいかな、って思えたらサビは是非とも聴いて欲しい。「聞か無いよ 聞か無いよ 離してフォスター」の心地よさがとても良い。このメロディが何度も繰り返される曲構成だから幸せになれる。セイカさんと葵ちゃんのテンポの良い優しくてほんのりダウナーなハモリが五臓六腑に染み渡る……。ラップっぽいCメロもとても素敵。毎回「○○してフォスター」やサビの終わりでキッチリ音量下げて抜け感を出すのが丁寧な作りで更に良い。ustデータが借り物としっかり明記はしてあるけれど、この辺の丁寧な作りはそのままコピっただけでは出せないので素晴らしい。

 正直、私得だったな(セイカさんと葵ちゃんのお声好きな人種)って作品ではあるけれど、好きな人はハマること間違いなしの作品なので是非是非。割と私は口ずさむようになりました。

 

 

 

【ゆっくり解説】世界を解析する数学「微分積分学」~積分編~

ジャンル:解説

 

  約70分のガッツリ数学解説動画(主に高校数学範囲?)。そして悪いけれど、飛ばし飛ばしで流し見しただけで、全部は見れてないし多分見ることも中々ない、ごめんなさい!()

 ただ、中身見ると嘘や誤魔化しはなさそうだし、作りも丁寧で凝ってるし、何よりこの長丁場の動画を形にしたことに敬意を表したい。マジで作り込みが半端じゃない。Aviutl君に数式カチャカチャ入れるだけでも鬱になるのに(今調べてきたら、最近は数式入れるスクリプトもあるみたい……昔はTeX必須だったみたい、どちらにせよかなり手間がかかりそう?)、積分ということだけあって大量の図を駆使して説明するシーンが出てくるのでほんと編集量が膨大。想像したくない。そして積分の式に辿り着くまでに等差数列の話をして、三角形で簡単な実戦して……とまあ構成自体も丁寧。凄い。

 誰にお勧めするかというとかなり難しいけれども(高校生に見させようにも、まとめて70分で全部理解するの厳しいし、後半行くほど例題が少ないので授業代わりになるかと言われると怪しい)、理系の人なら懐かしい気持ちには浸れると思うので是非是非。私も「昔やったなあ……」とか「ああディリクレ関数とか最初ディレクトリって言い間違えながら扱ってたなあ……」とか色々思い出してた。ある程度学んで、忘れた部分や基礎を復習したい人にはお勧めかもしれない。

 

 

 

【第7回ひじき祭】第1回鳴花ヒメ・ミコトのミッドデイラジオ

ジャンル:ラジオ

 

 ヒメミコラジオ。シンプルイズベスト。ほんとに映像無しのシンプルラジオ(と見せかけてお土産関連の写真はちゃんと出てくるけど)。

 選曲といい、トークの雰囲気や調声、構成といい、とても王道で本物っぽい質感があっていい。実際コメント欄にもその手のコメントがあったし、作者本人も述べてるので、公式ラジオにかなり寄せているんだろうなと思う。愛が伝わってくる。お土産トークも地元っぽさ溢れる質感があってとても良い。ヒメミコがまるで実在しているかのようなラジオを作る、っていうコンセプトめいたものがヒシヒシと伝わってくる。

 頭空っぽにして、それこそドライブ中や寝る前のラジオとして聴ける素敵な作品なので是非是非(音量のアップダウンがそこそこキツメの場所が何ヵ所もあるので、ヘッドホン等で聴く際は注意)。

 

 

 

きりたんのレザークラフト その3「二つ折り財布」

ジャンル:工作(作ってみた?)

 

 サクッと見れるタイプのレザークラフト動画。投稿理由が少し切ない……。

 やってる事は多分本格的(専門外な上に知識も皆無なのでなんも分からん)。こういう類の作業工程見ながら寝落ちするの好き。次から次へと道具や工程が変わっていくのが楽しい。解説もかなりザックリ目で、やってること自体の説明はするけどその効果を雑にぶん投げるの、説明しても効果が薄いと割り切ってるときの玄人感があって良き(誉めてる)。

 お財布買いたいなー、って思ってる方は是非是非(どうやらその手のサイトで手作りのやつを売りに出してるみたい)。

 

 

 

【第七回ひじき祭】綺麗になれ、群青【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 個人的に滅茶苦茶好き。自分の趣味嗜好へのぶっ刺さり具合だけでひじき祭動画10個選べ、って言われたら間違いなくこれを入れる。『鬼と鈴 第壱話【VOICEROID劇場】』レベルの掘り出し物。自分の趣味嗜好にガチでぶっ刺さる作品ってのは中々ないけど、これはほんとドストライクだった。

 味わい深い、独特の世界観と編集スタイルが魅力的な劇場動画。落ち着きがあって優しい雰囲気の素敵な作品。編集技術で殴るのではなく、色彩感覚やデザインセンス、表現したいモノへの拘りでぶん殴ってくるタイプの我が道を行くスタイル。こういう作品が見たかった。そしてこういうセンスが欲しい。

 穏やか目のセミの鳴き声(夕方とかに鳴いてそうなタイプ)から夏の風を纏うように始まって、静かに静かに茜ちゃんとゆかりさんが語らう放課後の美術室。選曲もとてもいい。多分これしかないんじゃないか、ってくらいスルリと馴染む、厚みがあるけど圧迫感のない静かで落ち着いた音楽。最後の茜ちゃんの台詞に曲の波を合わせに行くのも拘りが感じられてとても良い。

 そして特筆すべきは立ち絵のシルエット表現(コンテンツツリーみた感じ自作っぽい?)。キャンバスと重なると本来白色一色の立ち絵が、そのキャラのカラーに染まる仕掛けがまあお洒落。そしてそのキャンバスもよく見たら夕暮れの雲だらけの空から徐々に深い深い夜景へと移ろいゆくのが面白いし、最後の茜ちゃんの台詞や演出に繋がっていくのがまあ素敵。個人的にはリアルタイムの時間変化をぼんやり表してるのかなーとは思ったけれども、最後の繋ぎ方からして茜ちゃんが絵を完成させていく過程にも若干ダブらせることができて面白い。というかこれだけシンプル化させて劇場として表現してること自体が絵的に滅茶苦茶素敵。この絶妙な配置と色彩感覚よ。そういう意味ではフォント選びもとても良い。拘りとセンスを感じる。

 お話自体も、茜ちゃんの能力が中々に不思議で絶妙に役に立つのだかなんなのだか分からない微妙なラインで、それがちゃんとお話の核のような、あくまで姉妹関係描写に対する援護射撃のような、なんとも言えない立ち位置を担っているこのバランス感覚がとても良い。いや、これがないと話自体が成り立たないのは分かるんだけど、いつの間にかこの設定が自分の意識に寄り添うだけの存在になるこの感じがとても良い(感想文下手男)。

 茜ちゃんの話し方も「これな、冗談なんやけど」に代表されるように、何か感受性豊かで色々とキャラが考え抜いて喋っている、生きている感じがしてとても良い。ゆかりさんも無粋な発言はせずに寄り添うように、程よい間合いをはかりながら会話を紡ぐこの感じがとても良い。質感が凄い。あと個人的には、ゆかりさんに対しては「今はよそ見できへんねん、もうちょっとでどう塗ればええか掴めそうでなぁ」といった旨の台詞を言ってキャンバスから一切目を逸らさなかった茜ちゃんが、葵ちゃんが来た瞬間キャンバスなんてお構いなしに葵ちゃんの方を振り向くのがね、これがね、エモなんですねぇ!!!!(オタク)

 いいねのネタの仕込みも世界観を深めるようなモノになっていて、「こんな味わい深いモノをいいねメッセージ38文字の中に最大限詰め込んでくるのか……」ってとても良い気分に浸れる。動画視聴後の余韻や後味を消すどころか寧ろ尚一層深めるこのいいねコメントは芸術。このレベルでいいねコメントを仕込みたいと思わせてくれる作品。

 唯一無二の作品だと思うし、好きな人は好きな作品だと思うので是非是非。これはとても良いもの。

 

 

 

【歌うボイスロイド】ヨヒラ/紲星あかり【第七回ひじき祭】

 

ジャンル:歌ボ

 

 あかりちゃんの少し静かで哀しい、そんな歌ボ。案外あかりちゃんこういうのも行けるのね、って感情にさせられる。

 「夜は憂の色」のフッと揺れるようなアップダウンの調声や、サビの上がり切って伸ばす部分の程よい上ずり声の煌めき、ハモリ込みのサビ全体の質感……とても良い感じに仕上がった歌ボ。

 可愛らしくて整え切った調声の歌ボなので是非是非。

 

 

 

葵ちゃんvsくすぐり魔茜ちゃん 【第七回ひじき祭】

ジャンル:劇場

 

 調声お化け。会話の質感お化け。お化け。

 「何も考えずに取り敢えずクリックしてみてください、琴葉姉妹ファンなら8割方幸せになれます」って感じの動画。タイトル通りの内容で、茜ちゃんがお歌うたいながらくすぐって、葵ちゃんがくすぐられてキャーキャー騒いで……って感じのストーリー。茜ちゃんのお歌の程よい低音が沁みる。台詞選びや余裕なく言葉を発しまくる表現がとても良い。笑い声や裏返った声が可愛らしい上に調声凝ってて凄い。

 タイトル通りの直球でサクッと見れる癖に滅茶苦茶調声凝ってて万人にお勧めできる動画なので是非是非。

 

 

 

【ことぬい&琴葉姉妹劇場】はぐ!みー!なう!【第七回ひじき祭】

ジャンル:劇場

 

 「純度100%、トップクラスの編集技術と調声によるシュガーサイド動画パンチを喰らえ!!」って感じの動画。暴力的な砂糖。タイトルも強い。

 導入の選曲と編集の雰囲気からグッと引き込まれる。ボケボケな茜ちゃんの台詞と物差し比較、SE盛り盛りな丁寧編集。「ことぬいが 姉妹のお家に やってきた!」の画面の可愛らしさよ……。パペット人形みたいにことぬいを扱うシーンの糖度はほんとにヤバイ。編集技術の高さが目に見えなくなるレベルで「可愛いああああ」以外の感情が抜け落ちる。同じベッドに入ってるシーンが両方共まあ可愛らしいこと。全編可愛さの塊。ただ「葵ちゃん人形、たからものにするからな!」って台詞に少しだけ「ことぬい……お前……消えるのか……?」ってせつなさが到来したのは私だけではない筈

 全編可愛いの塊だから純粋に見てて楽しい人が多いだろうし、編集技術や言い回しも全部お化けだから投稿者視点でも色々見れる部分は多いと思うので是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】お前がCeVIO_AI!?冗談じゃぁぁぁあない!!!【CeVIO劇場】

ジャンル:劇場

 

 タイトルとサムネで既に落ちてるタイプの劇場。かと思いきやそこから更にグッと変化してくるし、調声も笑いもドカドカ打ち込んで来るタイプの面白動画。

 つづみちゃんの狂気の台詞の数々が全て面白い。なんなの君ら、パワフル系ささら使いは「つまり」の調声が「つーまり」になるのほんとなんなの君ら……「はぁ、はぁ」の声も変にリアルな調声なのなんなの……。そして怒っているささらちゃんのプリセットが「元気一杯」って後ろで静かに主張してるの、どう考えてもミス表記っぽい雰囲気醸し出しててシュールな笑いが出る。そしてとばっちりのせいで不憫な扱いを受ける六花ちゃん可哀想。何故この子は不憫キャラが似合ってしまうのか……。

 40秒でサクッと見れて笑える動画なので是非是非。クレイジーなタイプのつづみちゃんを扱いこなす人の動画は、あんまハズレがない気がする(個人の感想)。

 

 

 

【チャイナ・ブルー】お酒の話をしましょうか【ボイ酒ロイド】

ジャンル:解説(ボイ酒ロイド)

 

 「お店のカウンター席に一人で入って、飲みながらバーテンダー葵ちゃんと色々お話してたらお勧めの一品が出てくる」っていう構成で進んでいく、雰囲気の良い解説動画。

 最初はお酒動画故に少しスルーしてたけど、似たようなサムネで他のボイロキャラの動画が毎日上がっていたので、ハッとして1本だけつまみ食いさせてもらった。とても良い。

 『バーテンダーとして接客に慣れ切っていて、リピーターを増やすような上手くてつよつよなトークを繰り広げる葵ちゃん』の解像度が非常に高い。言い回しがよく練られている。本命のチャイナブルーの解説に行く時の場面転換、カクテルレシピのオシャレな出し方、畳み掛けるような丁寧できっちりした解説……非常に良い。最初「ああ、透き通る感じの青とかじゃなくて、こんな感じの色合いなんだなぁ……」くらいで見てたけど、陶磁器の色云々の解説を聴いて凄い納得した。この葵ちゃん、あまりにもトークが巧い。

 そしてまあこれ1本だけでも動画としてかなり強いけれど、この動画の何がヤバイかというと、毎日1本ずつボイスロイドが日替わりで1週間分似たような動画を出していること。日々違うバーテンダーボイロが各々のイメージカラーのカクテル紹介してくれるの、コンセプトとしてあまりにも素敵すぎるし、思いついた上で7本全部マジでキッチリ毎日出しやがったのはほんと凄い。

 という訳で、ひじき祭の開催期間を最大限利用した素敵なコンセプト動画群なので、お酒に興味がある方もそうでない方も是非是非。

 

 

 

【簡単アウトドア料理】砂肝のネギ塩焼き【つづみの何処でもキッチン】

ジャンル:キッチン

 

 「【簡単】お外でプリンを作ってみた【アウトドア飯】」の人の2作品目。相変わらずのつづみちゃんの落ち着いた口調と丁寧な料理工程が魅力的なキッチン動画。

 水が沢山使えないが故のプラスチックまな板ってのもそうだけど、コメント欄の「屋外でも素材が転げ落ちないような構造のまな板使ってる」ってので少しハッとさせられた。次から次へと家庭調理では見ないような調理器具が出てきて、屋外キッチン慣れしてるのがよく伝わってくる。簡単めで真似できそう&美味しそうな料理紹介してくれるの助かる。後は動画情報の「浜辺の見晴らしが良いけど、道が悪くて人が来ない」ってのよくわかる(昔誰も来ないような浜辺に向かった時、離合できないような道にどんどん突っ込む羽目になってとても辛かった)。

 動画のテンポやつづみちゃんの落ち着いた喋り、手慣れた調理風景、屋外撮影ならではの環境音……このご時世の中で解放感を味わいながらゆったりするにはピッタリの動画なので是非是非。

 

 

 

琴葉葵「琴葉茜に彼氏がいるだけの話。」

ジャンル:劇場

 

 ちょっと悲しい、姉妹の心の移ろいや成長、葛藤を1分半で端的に表現した劇場動画。

 実際の発言と字幕が違う類の動画だけれど、その使いどころや台詞と字幕の剥離のさせ具合が絶妙でセンスを感じる。そしてこんな動画だけれど、1つ強力なギャグ要素をサブウェポンとして搭載してるのが結構強い。集中線ギャグがね、茜ちゃんのキャラとマッチしてて無性に笑える。しかし落としどころはしっかりと、鎖の音とその描写でエンディングを迎える素敵構成。

 琴葉姉妹のヘビーエモーションがギュっと圧縮された一品なので是非是非。隠しきれない作者の葵ちゃんへの歪んだ愛が色んなところから見えるのも味かもしれない

 

 

 

「チョコミントアイスがないないあおい」

ジャンル:歌ボ(替え歌)

 

 動画情報欄通りの、サカナクションアイデンティティの替え歌。想像以上に無駄にセンスが光ってた。

 スタイル的にはカラオケ風味な調声で基本可愛らしい。「どおしてえええええ」の上下左右矢印の付け方や調声もただただ可愛らしいフレーバーだし、毎回微妙に変わっていくのも味があって良い。というか歌ボ特有のロングトーンのビブもどきの除去も丁寧にやってる気がするし、なんだかんだ凝ってる作り。

 替え歌としても結構作り込まれていて、最後まで息切れせずに作り切った感じがあって良き。中盤の葵ちゃんフルボッコタイムも緩急がついてて良い。

 葵ちゃんの動きも毎回いちいちうるさくて面白いし、フルボッコタイムの後に自力で画面枠ごと持ち上げるのも愉快だし、ラストシーンの描写とかは王道っぽい演出をちゃんと表現してて締めに相応しかった。

 ほんのりクスッとできて和やかな気持ちで見れる良い動画なので、替え歌に抵抗の無い方なら是非是非。

 

 

 

今夜は天体観測に行ってみよう

ジャンル:劇場

 

 滅茶苦茶空気の良いほのぼの劇場。ザ・青春動画。なんだこの解像度の高さは……。

 仲の良い女子4人組のわちゃわちゃした空気感がとても良い。「言わせてる」感が一切存在しない、自然かつ可愛さ上限値一杯を攻めるような行動と台詞選び。全員の台詞が等身大で、そこに実在しているかのような錯覚さえ覚える。「ハンデやハンデ」とか「私の分も――」とかよくスッとその台詞思いついたな……。「あ け て ま す」周辺の流れとか可愛いし色々と秀逸。要所要所で3人の表情が完全に一致するのも少しクスッと来て面白い。そしてどこまで行っても優しくて温かいやり取りが身に沁みる。ゆかりさんに進捗聞くタイミングの自然さとか、スッと記念写真撮るシーンとか、事あるごとに優しく微笑むこの子達の素敵さよ……というか、煽り合いは滅茶苦茶面白くじゃれ合うようにやりまくるのに、踏み込まないべきシーンでは絶対に煽らずに微笑むこのバランス感覚の良さがほんと素敵。

 調声がとても可愛らしいのもまあ強い。主に笑い声系統は全部キッチリ別ツールで波形弄ったなってのが良く伝わってくる。当然のように声をヘッドホンの左右でキッチリ振ってるのも強い。BGM選びもよく練られていて、動画の雰囲気に相応しかった。

 あとはまあ、こんだけ面白いモノを詰め込み切って4分に圧縮してるのは見事の一言に尽きる。天体観測というテーマなこともあって時間経過のカットイン入れまくりでガンガン進んでも違和感ないってのはあるけど、それにしたって圧縮しまくってるハズなのにそのカットインが一切くどくないのは謎。強い。

 ラストの展開もとても好み。ほんのりクスッときつつも和やかな気分で終われるこの読後の満足感。良き……。

 そしてもう1つ言及するなら、ほんとにコメントに愛された作品だなと思う。作品の雰囲気に合った、温かくて穏やかな気分になれるコメントばかりでまあ素敵なこと。訓練が行き届いておる……。

 という訳で、夏の夜に相応しい穏やかな気持ちになれる劇場動画なので是非是非。単純に過去作も再生数高めで安定しているタイプの強者劇場ってのもあるけど、万人受けするタイプの作品だし期待は裏切らないほのぼの動画の筈。

 

 

 

釣った魚は最後まで #92 穴子の握り寿司【VOICEROIDキッチン】【第七回ひじき祭】

 

ジャンル:ボイロキッチン

 

 ナンバリングがエグイタイプの老舗ボイロキッチン。冒頭注意書きでも言った通り普段なら見ないタイプのナンバリングだけど、中身見てみたらかなり良かった。タイトルに嘘偽りなし。純粋に釣りがしたくなる動画。

 釣りのお話から調理まで全部フルセットでキッチリ撮影して丁寧なゆかりさんのトークを紡いで……これを92回もやってんのかと思うと尊敬の念を抱く。安定感というか、厚みというか……なんというか動画に独特の空気感が溢れていてとても良い。毎回ひじき祭だけは見る人向けの「お久しぶりです、私あれから穴子の捌き方というものを極めて帰ってまいりました」の台詞やサラッとした振り返り編集を中盤の程よいタイミングで入れるバランス感覚が妙にお気に入り。

 釣りも料理も、ポンコツっぽさを出しつつ(BGM選びも相まってて良き)なんだかんだ老練さを醸し出すこの絶妙のバランス感覚がとても良い。自分の領分を弁えた上で着飾らず面白おかしく、しかし抑えるところは持てる知識や技、こなれた編集やカメラ撮影技術でしっかり仕留める……自分もこういうスタンスの動画作りがしたいと思いつつもどこか崩れる瞬間があるから、この感覚を貫けてるのほんと凄いなと思う。ポンコツ面白可笑しい映像を見ていたと思ったら(言うて魚捌いてる時点で自分には不可能な領域だから基本的に感心してたけど)、いつの間にか綺麗に捌いて美味しそうな調理工程と完成品が出てくるのだから動画構成としてほんと素敵。というか食レポも完璧だし、まあほんと老獪さを感じる良い動画だった。

 という訳で老舗の王道釣りキッチン動画で見てる方は多いかもしれないけれど、安定感のある良い動画なので是非是非。投稿者としても色々感じるところがあって面白かった。

 

 

 

東北ずん子の今日のひるごはん!#番外編02「屋台風オムレツトースト」【第七回ひじき祭】

 

ジャンル:キッチン

 

 シンプルに王道を往くキッチン動画。

 可愛らし目の動画の雰囲気やトークを主軸に、丁寧にレシピや調理過程を見せていく王道スタイル。動画を圧縮するために、Tips的な要素は全部指人形ずん子ちゃん的なサムシングに吹き出し付きで言わせてテンポがダレるのを防いでいるのも強い。というか何よりも「調理方法が頭いい(コメントより抜粋)」ってのがデカい。食パン両面に卵つけるシーンとか、折り畳み方式とか、料理が雑な私みたいな人間にとっては興味が惹かれる部分で面白かった。盛り付けも小洒落た英語包装紙で包んで、良い感じの屋台で売ってそうな出来上がりになっていてとても良かった。

 料理も編集も綺麗にまとまったキッチン動画なので是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】ようこそ、THK財団へ

ジャンル:劇場

 

 ボイロ投稿者達特有のネタやユーモアを主軸に構成されたSCP動画。途中の報告書辺りからが本領発揮って感じでグイグイと惹き込まれる動画構成。

 物語の冒頭数分で既に核となる伏線が数個張られているこの手早さが良い。そして報告書が手慣れた感じのちゃんとしたSCPレポートになっていて、違和感なくそれでいて面白く、要所でハッとするような完璧な書き方で素晴らしかった。BGM選びも秀逸で、補遺3まで辿り着くまでの数曲のBGMがしっかりと山場へ向かって流れを作っていて、補遺3で使われたBGMが動画の雰囲気にマッチしていてとても良い。この辺のついなちゃんのサラッとした発言やタイプ音が、読み進めるのを一瞬ためらうけど少しだけ覚悟して読み進める感情にしてくれる絶妙なラインを攻めてくる。良い。

 ちゃんとしたオチもあって、SCPレポートも様になっている良い動画なので是非是非。

 

 

 

【マイム】手打ちそば【琴葉葵】-第七回ひじき祭-

ジャンル:キッチン

 

 ぶっつけ本番系キッチン動画。手打ちそばは体験のやつでやった程度だったから、一度本格的なやつを見てみたいと言う思いで視聴開始……筈だけど色々と想定外な動画だった(これはこれでアリだけど)。

 使い手がほぼいない「悲しみ多め、喜び少なめ、声の高さ高め」ってプリセットの葵ちゃんでレアだった。この3Dでモーションつけて喋らせてるのも結構レアな気がする。興味深い。

 内容は完全に『料理系つよつよ人種が勘で人生初手打ちそばやる』って感じの見切り発車動画だった。料理分野はあまり分からないけど、自分の得意分野に近いモノを勘と経験則で初挑戦する時の開拓気分が無性に楽しいのはよく分かる。趣味ならまだしも、責任と納期に追われながら他分野開拓するのは地獄だけど。そしてなんだかんだ形にはなるのは流石の一言(そば打ち体験で御膳立てされた状態ですら麺上手く切れなかった人)。

 どの層向けかというと難しいけれど、興味の湧いた方は是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】弓鶴お兄ちゃんとことのは姉妹ちゃん【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 タイトル通りのほのぼの劇場。

 優しい弓鶴お兄ちゃんと蕾姉妹ののんびりほのぼのトークが続く3分間。前半が覚えたての知識をぶん回すザ子供って感じの可愛らしい茜ちゃんパート、後半が大人しいけど詰め込んだ知識をガンガン語るお勉強家の可愛らしい葵ちゃんパート。両者共に一見対極的に見えるけれど、どちらの場合も小さい子が知識を披露する時の様子を解像度高めで再現してるから素敵。弓鶴君の優しいお兄ちゃんムーブも良い。第一類医薬品の下りとかは、このご時世だとワクチン打った後の解熱剤や頭痛薬関連で自分も久々に意識したな……その歳から知ってる葵ちゃん偉い。

 台詞も全部違和感なく自然で温かいし、BGMやフォントも全部それに沿った作りになっていて丁寧な作り。葵ちゃんの「ううん」で3次元的に立ち絵の首を振らせている演出が投稿者としては「なるほどその手があったか……」って感心してた。

 3分でサクッと見れてほのぼのできる丁寧な劇場動画なので是非是非。

 

 

 

ゆめとにっきときりたんと5【VOICEROID夢日記

ジャンル:夢日記

 

 編集強めのほのぼの夢日記動画。シンプルに編集と構成が強い。あと、何気に夢日記動画に手を出すのは初めてだったので色々と興味深かった。

 OPからしてお洒落で可愛くてBGMセンスも良い化け物。その後のOPトークも、BGMも背景も良い上に構成がしっかりしていてとても良き。ナンバリングが5になっているにも関わらず、それまでの延長ではなくちゃんとひじき祭用に企画を立てて持ってきているのも素晴らしい。というかその企画についてのトークが興味を惹かれるような喋り方と内容でこれまた強かった。そしてそこから更に畳み掛けるようなスプーンを落とすオサレカット演出。強い。

 夢日記の内容を再現してる時の編集もバケモン。基本的に3D編集でカメラワークもゴリゴリ使うし(Blender使い)、影や光の反射の作り込みがエッグいし、水面の描写もどうなってんのか良く分からないけど強いし(全部Blenderパワーなのか?)、小ネタも山盛りだしでかなりパワフルな作品。夢日記をここまで忠実に再現できる人は中々いない気もする。EDで全部の素材に言及したりカメラグルグルさせながらオブジェクト見せたりと、クレジット部分もとても丁寧。

 夢日記好きに限らず、お化け編集を色々見てみたい人にもお勧めできる作品なので是非是非。

 

 

 

【架空デュエル】エクストラデッキ0枚デッキ縛り対決【第七回ひじき祭】

 

ジャンル:遊戯王

 

 ワンキル架空デッキバトル動画(扱いは劇場でいいのか……?)。あまりにもデッキスタイルがお互いにソリティア特化型。アニメでやったら多分アニメ壊れるタイプのやつ。

 デュエリスト特有の自然な導入(何が何でもデュエルで決着をつける)、見やすい画面レイアウトと丁寧な説明文&SE編集(タッグフォースっぽい?)&定番BGM編集が素晴らしい。カードを上がり牌呼ばわりするささらちゃんのソリティアがえげつないけど、そこに偶然六花ちゃんのソリティア用トラップカードが刺さる展開が秀逸。「発動していた!」じゃねえんだよデュエリスト共が!!(誉めてマス)

 決着の付け方も最後運ゲーに持ち込むのがアニメっぽくていいし(絶対死ぬコイントス可哀想)、ラストのオチもキッチリ王道を描き切っていて笑えて素晴らしい。外に遊びのカーブを外して最後ストレートで三振取る並の安定感ある。

 サクッと見れて適度に熱く、そして笑える動画だと思うので往年の遊戯王経験者なら是非是非。エクストラデッキ無いから、私みたいにシンクロ召喚で止まった世代やかろうじてデュエルリンクスの知識しかない人でも楽しめる筈。

 

 

 

姉に反省を促すダンス

 

ジャンル:雑コラ、歌ボ(?)

 

 これを歌ボと言い切る勇気(先生、歌ボでタグロックして本当に良いんですか)。でもマジで調声が無駄に凄い。

 初見の時「なんやねんお前流行りに乗ってサムネ釣りしとんとちゃうぞボケェ!」って思いながらブラウザバックしたけど、冷静になって後々見返してみたら、やっぱり調声が化け物過ぎて「えぇ何この技術の無駄遣い……」ってなった動画。なんだこれ……。

 調声がほんとお化け。高速高音がマジで可愛らしい上に厚みもあって、そしてカッコよさも兼ね備えたストロングスタイル。ロングトーンはノイズを取り除いているどころか完璧な美声だったし、アップダウンのうねりもヤバイ。全編お化け。そして今感想書きながらふと「この人そういや他に何出してんだろうな……」って動画欄漁ったら、FRMをPITに合わせてうねうねさせるツールのやつ(昔DLしようとしたら公開終了してた記憶)とか、世界一かしこいゆかりさんの支援歌ボとか出してた人だった。両方共懐かしい。

 なんにせよ、23秒の中に無駄にハイクオリティの歌ボが詰め込まれているので、普通に歌ボとしてお勧めできる作品なので是非是非。

 

 

 

100%リアル登山アタック 石鎚山 西之川-天柱石ルート 7h30m

ジャンル:登山RTA

 

 海面を手で触って(濡らして)から山頂到達までの時間を計るタイプの謎レギュレーション登山動画。何故君たちは今年は石鎚に登る人ばっかなんだい?

 冒頭のもたもた&登山動画なのに海が映っているシュールさ、そしてそこから始まる深夜の自転車映像&雰囲気にマッチしたBGM選びが動画構成として魅力的。いいよね、朝の4時とかに出発するこの感じ。太陽もまだ眠りこけていて、少しワクワクしてハイになってるけど外は寒くて暗い……旅行初日の朝って感じがする。というかその雰囲気にピッタリのBGMを持ってきているのがあまりにも強い。

 登山口での不審者ムーブやカメラ回収もシュールで笑える。後頭部GoPro登山映像も独特。4,5倍速編集、ダンジョンのようなBGM選び、やけにゲームチックで丁寧な解説も面白い。チョコバーの魅せ方も後頭部GoProに慣れ切った手つきで笑ってしまう。そして滑落してる部分もボルダリング感覚で慎重に進むのがあまりにも強い。鎖場でも鎖殆ど使わないのis何……登山RTA走者こわひ……。ラストも感想と共に気持ちよく自転車で山を下っていくシーンが素敵だったり、再び海に手を突っ込むシーンがあったりしてRTA動画としてとても良い作品だった。

 という訳で、23分の動画で長丁場ではあるけれども本格的で面白い作品なので是非是非。

 

 

 

【CeVIO旅行】おもきち旅1~船旅編~ 【第七回ひじき祭】

ジャンル:旅行

 

 IAちゃんのゆるふわ系フェリー旅動画。

 ゆるふわの癒し系ボイス調声と温かいBGMがとても良い。の割に、目的、旅程、きっかけ辺りをパパッと話していくのがやけに報告慣れした社会人っぽくて少しクスリとくる。その後のBGMや素晴らしいカメラ撮影(動画も静止画も魅せ方が秀逸)も相まって、旅に出たくなるような素敵な構成。立ち絵も「おもきち」のデザイン構成も全部雰囲気にマッチしててとても良い。何より、のんびりゆるふわな動画に見せかけて、要点絞って話の構成や魅せ方ガッチリ作り込んであるのが強い。5分間に綺麗にまとまっている。

 という訳で、IAちゃんとのんびり船旅気分を味わいたい方は是非是非。

 

 

 

【第七回ひじき祭】結月ゆかり 夏のドライブスぺシャル2021【VOICEROID車載】

 

ジャンル:車載

 

 水曜どうでしょう感満載のスタートから始まるゆるーい感じの車載動画。登場人物も多めでワチャワチャしてて楽しい。自作立ち絵な上に差分マシマシ&ボイロ何体分も用意してあるのが強い。サムネの雰囲気も良い。

 冒頭良い感じのBGMから始まったと思ったら、「またしても目的地を知らないゆかりさん」状態でボイロたちに強制連行されていくゆかりさんが笑える。発進シーンも映像化するために良いアングルで色々撮っていて凄かったし、撮影も色々とモザイク処理しっかりしていて完璧。5体以上扱っているのに全員ちゃんとキャラが立っているのもお見事。そしてこの瀬戸内海の海岸線沿いのドライブ映像と洋楽BGMによるライブ感がとても良い、自分もドライブに出かけたくなる。茜てんてーの解説もしっかりしていてためになるし、ゆかりちゃんの理系全般オタクトークも詳しくて助かる(解説BGMがダバダバしてるのがシュールで笑ったけど)。そして最後の帰路の雰囲気がとても良い。帰り道のトークっぽさやBGM選びが素敵。出典もちゃんと書いていてぬかりない。

 登場ボイロ全員のキャラが立っていて素敵な車載動画なので是非是非。

 

 

 

【歌うA.I.VOICE】岬めぐり

ジャンル:歌ボ(歌うアイボス)

 

 のんびりした感じの優しく綺麗な歌うアイボス動画。

 高音の抜け感というか、消すようなフッと通り抜けていく調声が素敵。というか全体的に高めの明るめの歌声だけれど、外すことは絶対ないけど遊びが効いたこの感じがとても良い。「閉じるー」の上下のこの何とも言えないスルッとした揺れとかが心地よい。ハモリも丁寧。

 優しい気持ちになれるのんびりしたお歌なので是非是非。

 

 

 

ゆかり「古代のボードゲームで遊びたいんです!」【ボイスロイド解説・雑談2】

 

ジャンル:ボドゲ解説

 

 「ウルのゲーム」の解説動画。楽しそうに語るゆかりさんが微笑ましい。

 とにかく楽しそうに語るし、何も知らない人に布教する気がしっかりあるタイプの動画構成で素晴らしい(説明編集の丁寧さ、比較対象、面白さや戦術への言及、動画時間、動画概要欄のリンク、etc……)。視聴してる際に程よく考えながら見られるのは良い動画。というか思考の誘導が滅茶苦茶巧いタイプのゆかりさんだから強い。バックギャモンのとの比較が多めなのは人を選ぶだろうけれど、その辺は多分ターゲット層が明確な事の裏返しなのでそれはそれで作り方として感心する。実際バックギャモンとの比較が分かりやすかった。

 ボドゲに興味を湧かせる、という趣旨通りにキッチリ練り上げられていて惹かれる動画なので是非是非。実際私もブラウザ版のソロゲー遊んだし、なんなら遊ぶ前までは誰かと対戦しようかと思ってたくらいには興味を惹かれた。実際遊んでみたら、いいねコメントのゆかりさん同様「あー折角理詰めしたのに、なんで頻繁に低確率引かれて運負けするんじゃい!!」ってブチギレて3回くらいで辞めちゃったけど!!!1

 

 

 

【21夏MMDふぇすと本祭】あかりとマキの体操自由形ペア【第七回ひじき祭】

ジャンル:MMD……解説……?劇場……?

 

 体操役あかりちゃん、バー役ムキさんの2名による体操自由形ペア(?)。なにこの競技……?本編終了後にスロー再生によるセイカさんの解説が付く増量編。

 棒の位置を定期的に動かすことで、平行棒・鉄棒・段違い平行棒の全部を演目内に収めきる発想が割とありそうでなかったから感心してた(私が知らないだけ説もあるけど)。最初に床の技から入るのも自由形らしさがあって良い。モーションも全部凄いし、解説もその道の人っぽい感じでテレビっぽく淡々と言っていく上に時たま補足が入ってくるので強い。キャラの方はムキさんがなんとも言えない顔でパワフルにバーを持ち続けてるのがシュールで面白い。あかりちゃんも人間離れした動きの連続でヤバイ。Y字バランスをバーの上でやるな。

 動画自体の発想とモーション・解説全般が光る素晴らしい作品なので是非是非。

 

 

 

【歌うボイスロイド】クーのテーマ【ボイパロイド】

ジャンル:歌ボ(ボイパ)

 

 サムネホイホイ(琴葉姉妹オタク)。

 シュールな映像と共に奏でられる葵ちゃんオンリーのボイパロイド。葵ちゃんは多ければ多い程良い(コメント欄より引用)。

 低音が丁寧に作り込まれたボイパが非常に良い。小刻みに色んな音程で沢山音が鳴るこの作り込みが聴いていて楽しい。そしてシュールな絵面が好み。パタパタして飛行してる葵ちゃん、目グルグルしてなんか乗り物にされて混乱してるお姉ちゃん、盛り上がり部分で突然左右か生えてくる葵ちゃん達、そしてなんか困ってるのか無表情なのか良く分からん腹の立つ顔で姉の上にちんまりと座って空の旅をしている葵ちゃんがとても可愛い。いいね催促もなんかシュールな絵面の中に良い感じに収まる面白さで良き。泣く茜ちゃんシュール&可哀想だけど可愛い。

 サクッと見れてシュールで可愛らしい映像とボイパが楽しめる良き作品なので是非是非。

 

 

 

走る☆衛生兵 紲星あかり【BRM605近畿600km敦賀 しっぽり三朝温泉 改め アタックおにゅう峠】前編

ジャンル:車載(ロードバイク、ブルベ)

 

 編集、会話や説明手順の構成、笑い所、録画物、BGM選び、後書き……全てが丁寧且つ面白く仕上がり切った30分たっぷりの王道車載動画。この構成力と編集の丁寧さで30分走り切ってるのは凄い。というかこれでまだ前編なのか……。

 ブルベ自体をそもそもちゃんとは知らなかったので(何日間もかけてサイクリングする謎集団がいるな程度の認識)、雰囲気を全部知れてよかった。というかほんとにルール説明も臨場感も何もかもが適量&丁寧な構成になっていてスッと頭に入ってくる。凄い。地図の下に標高マップ(?)らしきものを併記して、地図はウナちゃん、標高はきりたんの立ち絵を立たせて対応させてコース説明させてるのは結構感心した。そこまで丁寧に編集するのか……。

 コメントも全体的にバランス取れてる&荒れてなくて面白かった。治安良くて安心。コメでやんわり指摘されてた通り、ノー二段階右折は「ほんとの田舎道ならまぁ……うん……」とは思うけれど、車そこそこ走ってるところで同じ事やってないか心配ではある

 そしてなんと言っても、ブルベ中に出会った人たちを、それとなく雰囲気似た立ち絵のボイロで置き換えてるのも臨場感があって良い。途中で別れたり合流したり、一緒にアクシデント対応したり……人が沢山集まりやすい瞬間におこるちょっとしたイベントが毎回面白かった。そしてタカハシの「どーみーーーーーーーーーー↗いいいいいん(ドーミーイン)にお越しいただき」があまりにもズル過ぎた。

 心地よく30分通しで見られる素晴らしい車載動画なので是非是非。

 

 

 

【マヨネーズ】雑あお特別編!手作りマヨ作りたーい!【第七回ひじき祭】

ジャンル:キッチン

 

 強者のボイロキッチン動画。シンプルに強い。構成、トーク、調理(?)過程、編集……全てがハイスタンダートタイプのやつ(更に言うなら異様な投稿ペース)。あと、とにかく葵ちゃんがめちゃんこ可愛い。

 3分間にこれでもかと言わんばかりに圧縮して面白さと可愛さが詰め込まれている。張り切り過ぎてぎゅうぎゅうに詰まった手作り弁当状態。これを隔週ペースでやってそうなのがまあエグイエグイ。ことぬいもExボイスも駆使して大暴れ。本体の葵ちゃんも表情がコロコロ変わってとても可愛らしい。

 強者の圧縮キッチン動画って感じで誰が見ても楽しい作品だと思うので是非是非。というか全体的にキッチン勢は動画の流れや画面構成がちゃんとしてる人が多い気がする。料理で段取り力とかが鍛えられてるせい?

 

 

 

【第七回ひじき祭】SUPER KOTONOHA USA【ほぼ全部琴葉姉妹】

ジャンル:ボイパロイド&ゲーム画面再現

 

 お化け。琴葉姉妹ファンのお耳に幸せを運び続ける3分33秒間。

 スーパーマリオUSAのBGM、効果音を全部琴葉姉妹オンリーで再現。そして映像の方はフリー素材(主にいらすとや)を駆使しきって可愛らしくのほほんとした感じで再現したパロディに仕上がっていてとても素敵。

 ボイパロイド自体がとても良い、十分なパート分けによる厚み、そして純粋な調声が素敵。ほんとお化け。音量も含めて心地よいアップダウンがある。一瞬「不協和音気味に外れるのか?」って思ったら絶妙に踏みとどまって派生していくのがマジで原作っぽくてとても良い。あの一瞬どこかへ外れていきそうな原曲のピコピコ音を聴いた時の再現そのままで強い。あと個人的にちょっと感動したのは、クッパ城(今作品内だと鍵の運搬シーン)のループ部分が一瞬音途切れるやつ。原作まんまで「おぉ……」ってなった。作り込みが凄い。

 効果音の方も滅茶苦茶再現度高くて楽しい。よく作ったなこれ……。

 そしてゲーム画面の再現もやたらクオリティ高くてビックリする。画面自体もそうだけれど、一瞬立ち止まる時の絶妙な間、カブ当てた時の挙動、ラスト直前の鍵あるあるやギリギリの操作がほんとリアル。リアルなんだけれど可愛らしさ全開の作風になってるのがこれまた良い。ほんと素敵。

 という訳で、世代的に刺さる人も多いはずだし、そうでなくても高クオリティ&可愛らしさ全開の琴葉ワールドに浸れるとても素晴らしい作品なので是非是非。

 

 

 

牛丼屋で明かされたゆかりさんの過去【VOICEROID劇場】

ジャンル:劇場

 

 荒れ狂うギャグの暴風雨。タイトルが既に「ん?」ってなるのがズルいけど、冒頭の掴みから途中の細かい演出・調声・言葉選び、そして最後のそのまま駆け抜けるような終わり方まで全てが面白い。

 調声が全体的に凝っている、というか多分波形を直接ソフトで弄ったり、有志のツールにガチャンと入れて囁き声出力するのが習慣化してるタイプの人(違うかったらゴメンナサイ)。多分そもそもボイロの画面でも調声用にゴリゴリ弄ってる筈。この質感が習慣化してるのは強い。台詞も発音と字幕が微妙に一致してないあの感じがとても良い。リアリティというか質感というか、なんかこう生き生きしてて良い。

 お話自体も台詞回しと笑いの取り方が秀逸で隙がない。冒頭の嫌い屋発言の掴み、突然雰囲気が甘くなるゆかりさんの華奢さ&抱きやすさトーク、そこからの急転直下、「その時ゆかりさんは思った」を葵ちゃんの台詞中に絶妙なタイミングで被せることによって生じる笑いの追撃、プルプルしながら斜めに詰め寄る葵ちゃん、囁き中に「その顔やめなさい」とビシッと入る一撃、etc……とても愉快な1分半。さりげなく過去作を上手くチラつかせる手腕も見事。

 基本的に誰が見ても1分半で楽しくなれる劇場なので是非是非。

 

 

 

【voiceroid劇場】ヲカルト探求倶楽部EX 日常短編集【第七回ひじき祭】

ジャンル:劇場

 

 流れるようにサクサクと、でもどこか影を落とすような引っ掛かりを上手く盛り込んだ短編3本立ての劇場集。メンバーの掘り下げという動画目的に嘘偽りなし。

 「普段の解説動画の番外編」という位置付けらしく、私は本編一切見た事ないけれどもこれ単体で楽しく見れたのでかなり秀逸。余計なものがなくサクサク進むけれど、必要最低限の情報を最小の手数(主に会話と動作)で見せるのがとても巧い。笑いも設定掘り下げも全部盛り込んでここまで削ってあるの凄い。スピード感がある筈なのにどこか空気が淀むというか停滞するような雰囲気が醸し出されているのも面白い。滅茶苦茶平たく言えば胡散臭さ全開で素敵。

 周りのメンツが滅茶苦茶濃いけれど、それに埋もれることなくあかりちゃんがしっかりメイン張れそうな言動や人間関係構築してて面白い。間を取って考えてる時の思考力やツッコミの的確さもさることながら、あのメンツに囲まれてなんだかんだおごりにはがっついたり後輩らしく動いたりしててキャラのバランスがとても良い。

 後は小話の並べ方が良い。というか3本目が程よくガス抜きしつつフェードアウトする感じの構成になっていて、まとめ役として優秀だった印象。試聴後の後味が随分マイルドというか抜け感が出てて良い。

 という訳で、普段見ている人も見ていない人も両方が見れる作品なので是非是非。

 

 

 

 

 

……ひとまず前編は以上になります。

後編はまたいつか余裕があれば……というかもう今年のひじき祭では絶対にこの企画やらない……何十時間消費するんだ、ってなるので……。

まあでもなんだかんだ色んな作品があって楽しい投稿祭なので、今年も参加予定の方は頑張ってくださいませ!!!

というわけで、読んでいただきありがとうございました。